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流氷
「流氷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流氷の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「弓町より」より 著者:石川啄木
の軒のまったく塞《ふさが》った様《さま》も見た。広く寒い港内にはどこからともなく
流氷が集ってきて、何日も何日も、船も動かず波も立たぬ日があった。私は生れて初めて....
「海底大陸」より 著者:海野十三
動監視鏡といいますが、これがあるおかげで、本船は、人間が見ていなくても船の前方に
流氷があればすぐそれとわかりますから、進路をかえて氷山とのしょうとつをさけること....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
なる。 帆ばしらは、今にも折れそうに、ぎちぎち鳴りだすし、舷を、小さく砕かれた
流氷がまるで工場の蒸気ハンマーのように、はげしい音をたてて叩きつづけるのであった....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
慈悲太郎が悪疫にたおされてしまったからである。 そして、季節も秋近く、そろそろ
流氷のとどろきがしげくなったころ――、その日は、暮れるとともに、恐ろしい夜となっ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
った。 水平線が、とつぜんムクムクと起伏をはじめたかと思うと、みるみる、無数の
流氷が「発見」号をおそってくる。船は、あちこちに転針してやっと遁れたが、じつに前....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かというに、それは、「大地軸孔」をかこむ“Kyam”の隘路に、世界にただ一つの速
流氷河があるからだ。温霧谷の、魔境の守り、速
流氷河。 グリーンランドの北端にあ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
が、水深二〇|米の水中にもかかわらず、海水が水銀のような白光を放っているのです。
流氷――艇長にそう云われて初めて、温度がいちじるしく低下しているのに気がついたの....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
のできなかったいろいろの真実をありありと見せられ体験させられるのである。たとえば
流氷のようなものでも舷側で押しくずされるぐあいや、海馬が穴から顔をだす様子などか....
「空想日録」より 著者:寺田寅彦
熊を射殺し、その子を生け捕る光景が記録されている。 果てもない氷海を張りつめた
流氷のモザイクの一片に乗っかって親子連れの白熊が不思議そうにこっちをながめている....
「死屍を食う男」より 著者:葉山嘉樹
。 安岡の空《くう》な眼はこれを見ていた。彼はいつの間にか陸から切り離された、
流氷の上にいるように感じた。 深谷は何をするのだろう? そんなにセコチャンと親....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
々|囂々《ごうごう》、日夜、やむときなく島を揺りうごかす。 北海の水の上にまだ
流氷の残塊が徂来《そらい》するころ、通例、成牡《ブル》と呼ばれる、四五十頭の、怪....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
った筈ですからみつけてお送りします。本が不自由でなかったのは幸せでした。北氷洋の
流氷の上で科学的実験をした人達の記録などは随分面白く読みました。最近『微生物を追....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
の室にお暮しなるというのは気が楽のようです。空からのことは閉口だけれども、そこの
流氷とコンクリートと結びつけて考えると、凍えるようですから。やっぱり虫が少いのね....