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「流汗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

流汗の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
むるもあり。御者は縦横に鞭を揮《ふる》いて、激しく手綱を掻《か》い繰れば、馬背の流汗|滂沱《ぼうだ》として掬《きく》すべく、轡頭《くつわづら》に噛《は》み出《い....
骨を削りつつ歩む」より 著者:佐左木俊郎
ら、この年の二月、未だ病気をしなかった頃に、今村家を中心として拵《こしら》えた「流汗主義」という論文的な文章を雑誌「樹蔭」に書いて、この時も今村先生からほめて頂....
自転車日記」より 著者:夏目漱石
かけてさっきからしきりに感服して見ている、何を感服しているのか分らない、おおかた流汗淋漓《りゅうかんりんり》大童《おおわらわ》となって自転車と奮闘しつつある健気....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
とささやきつ。良人のためにはいかなる辛抱も楽しと思いて、われを捨てて姑に事えぬ。流汗を揮いつつ華氏九十九度の香港より申し上げ候。佐世保抜錨までは先便すでに申し上....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、恚《いか》りを息《やす》め剣を納めた時|俄然《がぜん》王驚き寤《さ》めた。身体流汗毛髪皆立ち居る様子、その子細を問うと我今夢に若者あり、右手剣を執り、左手わが....
黒百合」より 著者:泉鏡花
で、 「おや、千破矢様、どうして貴方、」と渋面を造って頭を下げる。その時、駿足に流汗を被りながら、呼吸はあえて荒からぬ夕立の鼻面を取って、滝太郎は、自分も掌で額....
丹下左膳」より 著者:林不忘
》の力を刀鋒《とうほう》にこめての気合いだから、いとも容易に動発しないとはいえ、流汗|淋漓《りんり》、栄三郎の素袷《すあわせ》の背には、もはや丸く汗のひろがりが....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のぎ難く思われるそうです。どういうわけなのかしら。 ユリも申すまでもなく、実に流汗淋漓ですが、その汗をふきつつ、汗をふいていることもつい忘れるような深い真面目....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
があって、それがすんで座を改めてお祝いの席に代る間写真をとりましたが、達ちゃんは流汗淋漓です、私も。坐っているのが苦しくて。殆ど気がボーッとなる位です、達ちゃん....
文化祭」より 著者:坂口安吾
尊顔を拝するのも心苦しいのですが、これひとえに農村不況の致すところでありまして、流汗リンリ、ゴカンベン下さい」 四十八枚売ったうち、たった八枚ぶん差しだした豪....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
妖怪、怪人が行手に待ち伏せているか見当がつかない。汽車にのる。室内温度二十五度。流汗リンリ。外套をぬぐ。上衣もぬぐ。ついにセーターもぬぐ。からくもリンリの方をく....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
登りの愛好者だが、彼らも息を切らしていたほどだから、私はムシブロの中にいるように流汗リンリ、フラフラである。築城まもなく大坂の陣も終って天下に平和到来し、政宗も....
『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
の中を、裏もなき御草履にて、御駈け廻り遊ばし、御踏抜きども遊ばさる可くと、奉行は流汗恐縮ながら、奔走御供申上候――と述べたのがある。これは、将軍が破れ草履をはい....
三国志」より 著者:吉川英治
るからその戦闘の激烈であったことは言語に絶している。 戟を交わすこと二百余合、流汗は馬背にしたたり、双方の喚きは、雲に谺するばかりだった。しかもなお、勝敗はつ....