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流竄
「流竄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流竄の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光と風と夢」より 著者:中島敦
凡《すべ》ての結果であった。 躍気になったスティヴンスンの奔走も無駄になった。
流竄者《りゅうざんしゃ》は家族の帯同を許されず、又、何人との文通をも禁ぜられた。....
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
いて、海岸から街の方へ通じる国道は古い絵はがきの景色か何かのようにおもえた。 (
流竄《りゅうざん》。そういう言葉が彼にはすぐ浮ぶのだ。だが、彼は身と自らを人生か....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
憎まれものの雲井竜雄さえその一員に迎えた。これがありのままの状勢である。ああてて
流竄《りゅうざん》のうきめを見る必要はないではないか。
見ろ、思った通りになっ....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
連れ、馬上|袖をからんで「時知らぬ山は富士の根」と詠じた情熱の詩人|在原業平も、
流竄の途中に富士を見たのであった。墨染の衣を着た坊さんが、網代笠を片手に杖ついて....
「ナポレオンの遺書」より 著者:豊島与志雄
るに、格言或は箴言と題せる著述は兎に角、セント・ヘレナの手記こそは、彼が五年間の
流竄の生活中、往時の戦役を追想しながら自ら口述したもので、多くの血と熱とが注ぎこ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
辛辣《しんらつ》に滑稽《こっけい》な点を指摘されたそれらの偉大な魂は、彼が遠くへ
流竄《りゅうざん》の身となった今となって、彼の方へ身をかがめて、親切な微笑を浮か....
「環礁」より 著者:中島敦
かいしゅん》の情無しと見たパラオ支庁の警務課が、彼の流刑の期間を延長し、その上|
流竄地《りゅうざんち》をS島よりも更に南方遥か隔たったT島に変更することに決めた....
「怪談綺談」より 著者:小酒井不木
少しも違わず激しい痛みを伴い、強い潮紅を呈していた。 予言の不思議 「
流竄中のカイゼル」の著者ベンチンク夫人が、一九一四年二月エルサレムへ旅行して、船....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
よ、刈り取らんとはし給う? すでに臣が過去の奉仕は、かかる屑の屑なる国への追放と
流竄のほかの何物にも値せざりしを知るとき、なんの憧れとなんの望みとをもちて、臣は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、ほのかに、うけたまわっていた。かたじけない」 と、なんども言った。 離散、
流竄、いずれも悲境に沈んでいた宮方のあいだでは、いつのまにか、道誉の名が、敵人な....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
新朝廷に仕えていた。 およそ以前は、後醍醐の朝に、ひとつであった公卿すべてが、
流竄、断罪に処せられぬはない中で、どうしてか彼だけは、新しい光厳帝にまみえ、花園....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
不文律があった。近世ではそんな特権は無視され、擾乱のあとでは公卿も斬られ天皇さえ
流竄の例を往々にしてみてきたが、よもや死を以て迎えるようなことはあるまい。そんな....