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流行児
「流行児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
流行児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
を、文壇の一角に、感ぜしめているかもわからなかった。俺は無名の作家たちが、文壇の
流行児《はやりっこ》の悪口を思う存分にいい合って、自分たちの認められない腹癒《は....
「ニイチェに就いての雑感」より 著者:萩原朔太郎
に明治時代からニイチェが紹介されて居た。その上にもニイチェの名は、一時日本文壇の
流行児でさへもあつた。丁度大正時代の文壇で、一時トルストイやタゴールが
流行児であ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は薩摩の風向きがいいものだから、その薩摩を背負って立つ西郷という男が、めきめきと
流行児になっているから、なんでもかでも西郷に担《かつ》ぎ込んで、彼をいい子にして....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
を自分の口中に啣えながら、我ながらいかにも華々しくめかし込んだのに嬉しくなって、
流行児の集まる公園に出懸けて自分の下着を見せたくて堪らなかった。さて、二人の一層....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
にあっては、偶像はベートーヴェンだった。ベートーヴェンが――いずくんぞ知らん――
流行児だったのだ。少なくとも、上流人士と文学者との間ではそうだった。音楽家らの方....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
どで、世に知られてる戸外運動家だった。――つぎには、レオン・ムーエーというやはり
流行児で、文学方面から代議士となり、政治上の野心によって文学に従事していて、年若....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とはつとめなかった。それでもランジェー夫人はやはり彼を面白い人物だと思った。――
流行児である間は何をしても構わなかった。いつでも人から面白い男だと思われるのだっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の役目を変えてるだけだった。往時の革命者らは俗流の人となっていた。往時の超人らは
流行児となっていた。昔の独立者らは現在の独立者らを窒息させようとしていた。二十年....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
ったのは一日か二日という成績で打ち上げた、それから彼が素晴らしい勢となって一代の
流行児となったのだが、こちらはもう彼を一度世に出すだけのことをしてやればよい、彼....
「レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
せられたが、正直にいうと、最後まで馴染まなかった。尤も、ルーベンスは前古未曾有の
流行児で、各国の宮廷貴族からいつも注文が殺到し、生涯に二千以上の作品を製造するに....
「“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
、下だ。 金語楼が落語界の新型であったころ、芸界では、もっとケタ違いに花々しい
流行児があり、それが無声映画であり、活弁であった。今の徳川夢声と生駒雷遊が人気の....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
にソクラテスとリンカーンであるが、二人とも生きているあいだに名声さかんで、一時|
流行児《はやりっこ》となって大いにもてはやされたが、ついにその最後は世人の皆知っ....
「人造物語」より 著者:海野十三
である。 * * 其後、英国のゴムシャムで出来た人造人間、倫敦の
流行児となったエリックという人造人間、米国ではウェンスレー博士のこしらえたテレボ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
は好し、容貌も好し、山の中には珍しい粋な姐さんとして、ここらの相場を狂わしている
流行児である。恋に間隔は無いとは云え、此方は宿無の乞食も同様で、山※の兄弟分とも....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
生活は鎌倉に家を借りていた間、わずか一年くらいのものであった。進は一躍して文壇の
流行児になり、俄《にわか》に売文の富を得るようになると、忽《たちま》ち杉原玲子と....