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浄い
「浄い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浄いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「クララの出家」より 著者:有島武郎
跡は成行きにまかせていた。彼女の心はそんな事には止ってはいなかった。唯心を籠めて
浄い心身を基督に献じる機ばかりを窺っていたのだ。その中に十六歳の秋が来て、フラン....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
はそれに合わせて仏様を讃める歌をうたわれた。すると天から花が降って来て、あたりは
浄い香りに満ちた。わしは金砂をまいた地の上に散りしく花を見入りつつこれこそあの「....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
を指した。 あなたの秘密は…… あそこに消えて行きます…… あなたは
浄い方です…… 徳市は智恵子を抱き締めた。....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の形容を写すのは容易であると説いたので、茘裳は彼に依頼することになった。 彼は
浄い室内に壇をしつらえさせ、何かの符を自分で書いて供えた。それから三日の後、いよ....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
に、富士山は繻子でも衣たように、厚ぼったくふやけている、いつもの、洗われたように
浄い姿ではない、重々しい、鼠ッぽい色といったらない。 いつの間にか、仲間が一人....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
来る。 かかるゆうべに、この美しい梓川の水に、微塵も汚れのない、雪のように肌の
浄い乙女がどこからともなく来て、裸体になって、その丈にあまる黒髪をも洗わせながら....
「子供のために書く母たち」より 著者:宮本百合子
われないのではないだろうか。ギャングにさらわれ、波瀾の激しい日を送りながらも心の
浄い少年が、ついに助け出され巨大な遺産を相続して旦那におさまれるのが、この世の現....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
この作者が、女および作家としてなみなみでない過程を経て到達した今日という日、稚く
浄い「キャラメル工場から」が、又新しく出版されてゆく今日という時代の動きの中で、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
似わさせられぬ。これからそち達はどこまでも愛し合ってくれ。が、そち達はどこまでも
浄い関係をつづけてくれ……。』 × × × ....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
て、玄白堂に妖しい奇蹟が現われたと云うのである。それが、天人像の頭上に月暈の様な
浄い後光がさしたとの事なので、ともかく一応は調べる事になり、胎龍と空闥の二人が玄....
「地上」より 著者:島田清次郎
を轟かすような芽生えを見つめていた。殊に平一郎があの美しい少年の深井を愛している
浄い少年らしい情操を発見して、「文学者K」はひそかに微笑せずにはいられなかったの....
「勝負師」より 著者:織田作之助
を聴くたびピシャリと坂田の心を打つのではなかろうか。火のつくようにまじり気のない
浄い純粋な泣き声は、まるで修業のはげしさに燃えていると聴えるのであろう。そしてそ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
己を呼ぶ。
軽らかに廻る火※の車が己を迎える。
※気を穿って新しい道を進んで、
浄い事業の新しい境界へとこころざす
心の支度が出来たように己は感ずる。
こんな高....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ぬことはないが、世間の修行が難事。汚いもの、穢れたものを忌み厭うて、寺にはいって
浄いとする者より、嘘、穢れ、惑い、争い、あらゆる醜悪のなかに住んでも、穢れぬ修行....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
って自慢にする魔法に近いものであった。燐寸は人間の骨で作るそうなと謂って、神仏の
浄い火は特に燧石で鑽り出し、商人の方ではまた決して穢れてはおらぬということを、箱....