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浄め
「浄め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浄めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
らしかった。だが、情愛の発露の道を知らない昔人はどうにも仕方なかったらしい。掃き
浄めた朝の座敷で幽寂閑雅な気分に浸る。それが唯一の自分の心を開く道で、この機会に....
「食魔」より 著者:岡本かの子
が果して彼のように美貌であったか判らないが、少くとも利休が与四郎時代秋の庭を掃き
浄めたのち、あらためて一握りの紅葉をもって庭上に撒き散らしたという利休の趣味性の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
、菖蒲、山の雉子の花踊。赤鬼、青鬼、白鬼の、面も三尺に余るのが、斧鉞の曲舞する。
浄め砂置いた広庭の壇場には、幣をひきゆい、注連かけわたし、来ります神の道は、(千....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
のは言うまでもない。 「ねえ、お前。」 稚児が仰いで、熟と紫玉を視て、 「手を
浄める水だもの。」 直接に吻を接るのは不作法だ、と咎めたように聞えたのである。....
「古狢」より 著者:泉鏡花
たんでしょうか。細い身体なら抜けられるくらい古壁は落ちていたそうですけれど、手も
浄めずに出たなんぞって、そんなのは、お藻代さんの身に取って私は可厭。……それだと....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
寒い、根の空洞に、清水があって、翠珠を湛えて湧くのが見える。 銑吉はそこで手を
浄めた。 階段を静に――むしろ密と上りつつ、ハタと胸を衝いたのは、途中までは爺....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は、そこに相当の準備の必要がありました。何より肝要なのは斎戒沐浴……つまり心身を
浄める仕事でございます。もちろん私どもには肉体はないのでございますから、人間のよ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
くの知識、より多くの愛、その外には何物もない。かくて地上生活の残渣はきれいに洗い
浄められ、魂は絶対無限の至高境に向って、ただ上へ上へと進んで行くのである。 (評....
「多神教」より 著者:泉鏡花
は何事じゃ。 禰宜 これ、速におわびを申し、裸身に塩をつけて揉んでなりとも、払い
浄めておもらい申せ。 神職 いや布気田、(禰宜の名)払い清むるより前に、第一は神....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
どこの教会よりも一番よけいに出かけて行く教会があった。その教会の入口のところに「
浄めのお水」をかける老人がいた。二人はやがてこの老人と顔馴染になってしまった。聞....
「あゝ二十年」より 著者:上村松園
花」完成に精進いたしたわけでした。 私は毎朝五時には起床いたしまして、すぐ身を
浄め、画室の障子をからっと明け放します。午前五時といいますと、夜色がやっと明け放....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
縦五尺六寸の絹に、雪の一幅からとりかかりました。 毎朝、五時に起きまして、体を
浄め、二階の画室の戸をすっかり開け放ちます。画室には朝の清浄な空気が充ち満ちます....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
形が口を利いた。 手水鉢で、蔽の下を、柄杓を捜りながら、雫を払うと、さきへ手を
浄めて、紅の口に啣えつつ待った、手巾の真中をお絹が貸す…… 勝手になさい。 ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
巻いたり、首に掛けたり、腹巻はまだしも、股に結んで弄びなぞしていやがった。払って
浄めて、あすこの祠に納めたと聞いてさえ、なぜか、扉を開けようとはしませんでした。....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
の被布を着て、帳場に片肘かけながら銀煙管で煙草を喫っている。その上体を支えて洗い
浄められた溝板の上に踏み立っている下肢は薩摩がすりの股引に、この頃はまだ珍しい長....