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「浄几〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浄几の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
背にして海に臨んだ小綺麗な旅館であった。 小川君の書斎は、裏二階にあった。明窓浄几、筆硯紙墨、皆極精良、とでもいうような感じで、あまりに整頓されすぎていて、か....
運命」より 著者:幸田露伴
憾むらくは其の叙するところ、蓋し未だ十の三四を卒るに及ばずして、筆硯空しく曲亭の浄几に遺りて、主人既に逝きて白玉楼の史となり、鹿鳴草舎の翁これを続げるも、亦功を....
連環記」より 著者:幸田露伴
く、好きな狩猟でもして、山野を馳駆して快い汗をかくか、天潤いて雨静かな日は明窓|浄几香炉詩巻、吟詠翰墨の遊びをして性情を頤養するとかいう風に、心ゆくばかり自由安....
丹下左膳」より 著者:林不忘
白くいぶったままこの部屋の端にまでたゆって来ている。 春長うして閑居。 明窓浄几《めいそうじょうき》とはいかなくても、せめて庭に対して経《きょう》づくえの一....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
してよきほどにあしらへり、もし心に任せたる世ならましかば彼ら如き輩を謝して明窓|浄几の下に静に書を読むべきを、」と。二葉亭が全く文壇から遠ざかろうとして苦悶して....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て人手足らず、一方マイルに二人平均数なれば、目前の事業に追われて、悠然として明窓浄几の下に静座沈思する余暇これなし。したがって、人民の快活にしてよく活動しおるに....
三国志」より 著者:吉川英治
」 柴の戸を排して、庵の中をうかがってみるに、まだ三十前後の一処士、ただひとり浄几の前に、燈火をかかげ、剣をかたわらにかけて、兵書に眼をさらしている様子である....