浄書[語句情報] » 浄書

「浄書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浄書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野分」より 著者:夏目漱石
ている。恋とこの室《へや》、恋とこの道也とはとうてい調和しない。道也は何と思って浄書しているかしらん。人は様々である、世も様々である。様々の世に、様々の人が動く....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
むようにして訊いた。 「そうだね。」 「駄目?」 「でもあるまい。」 間もなく浄書がはじまり、一人の助手が部屋に現われた。助手は新進のブロレタリヤ作家の夫人で....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
付親の勃海使が芬夫人の譚に感激して、船中の徒然に文案を作ってやったのを、芬夫人が浄書したものではあるまいかと思う。若林はその字体が、弥勒像の底に刻んである字と似....
ジャンの物語」より 著者:宮本百合子
ちの世話をしたり、家政をとる傍《かたわ》ら、徹夜までしてレフ・トルストイの作品の浄書をして援けて来たソフィヤ夫人とトルストイの間は、トルストイが一度、一度と精神....
葭の影にそえて」より 著者:宮本百合子
潔なる濃やかさに、娘として深き感動を抑え難いのである。 よみ難かった母の原稿の浄書から印刷に関する煩瑣な事務万端について援助を惜しまれなかった私の親友壺井栄夫....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
と、小さい男の児がそれをチョコチョコととなりの部屋にいるお母さんのところへ運ぶ(浄書に)光景があり、そんな風にものを書くということを昔私はびっくりして覚えていま....
ナポレオンの遺書」より 著者:豊島与志雄
ナポレオンの遺書――セント・ヘレナの島で、臨終より三週間ほど前に、彼が自ら口述し浄書したもので、現に文書保存局に原文が残っている――その遺書の中に、次のような一....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
会食か何かでさしつかえることがなければ、処刑命令の正本が作成され、書きあげられ、浄書され、送達される。そして翌日夜明け頃から、グレーヴの広場には一つの木組みが釘....
幕末維新懐古談」より 著者:田村松魚
をよろこび非常に丹念にそれに筆を入れて下すったのである。そうして、私はまたそれを浄書し、さらに先生に御覧に入れた。先生は、また、それを丹念に読んで、「これなら、....
日記」より 著者:宮本百合子
合、何も死についても意識はないと云うことが確になった。Aは「ペルシア文学近世史」浄書に着手(以下十一日分) 一月十二日(水曜) 松屋に行き原稿を買い、しゅうぼ....
和算の社会的・芸術的特性について」より 著者:三上義夫
、門下の後進たる長沢亀之助をしてそのことに当たらしめ、長沢の訳したものを、川北が浄書し校閲の銘打って、わが手でこれを発行し洋算普及の上に少なからざる効果をもたら....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
った。横綴じになっている桜痴居士直筆の原稿を渡されて、賢二が二幕、わたしが三幕を浄書するはずのところを、賢二は劇場の仕事が忙がしいというので、わたしが序幕から四....
私の仕事 松篁の仕事」より 著者:上村松園
年許りの歳月が過ぎて了いました。今年は是非共献上致さねばなりませぬので、只今下絵浄書中でございます。何分いろいろの画債が積って居りますので、たとえ半分なりとも片....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
し「この目録の中にて民間から買い得らるるものはこの際買入れとうございます。しかし浄書せねばならぬ分は明年十一月か十二月頃また出て来ますから、その時にお与え下され....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
相国 国家の栄、我々の栄のため、大切なお定を、 直様、謹んで記録に留めまして、浄書、封緘は記録所で扱わせます。 どうぞ御親署を遊ばして下さりませ。 帝....