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浚
「浚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
大黒帽《だいこくぼう》だった。するとそれを見た姉のお絹《きぬ》が、来月は長唄のお
浚《さら》いがあるから、今度は自分にも着物を一つ、拵《こしら》えてくれろと云い出....
「老年」より 著者:芥川竜之介
いる連中なので、この人たちの間では深川の鳥羽屋の寮であった義太夫《ぎだゆう》の御
浚《おさら》いの話しや山城河岸《やましろがし》の津藤《つとう》が催した千社札の会....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
そう云う間《あいだ》にも、火の気《け》の映《うつ》ったストオヴの口へ一杯の石炭を
浚《さら》いこんだ。
「温度の異なる二つの物体を互に接触《せっしょく》せしめると....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
のであった。
「どうしたのです。あなたは路でも迷ったのですか。それとも悪者にでも
浚《さら》われたのですか。」
女は黙って、首を振った。その拍子《ひょうし》に頸....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
きた。 「ウン起きたか省作、えい加減にして土竜の芸当はやめろい。今日はな、種井を
浚うから手伝え。くよくよするない、男らしくもねい」 兄のことばの終わらぬうちに....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
とて、人は知って、(伯爵)と称うるその釵を抜いて、脚を返して、喫掛けた火皿の脂を
浚った。……伊達の煙管は、煙を吸うより、手すさみの科が多い慣習である。 三味線....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
と言った。 乗り余った黒山の群集も、三四輛立続けに来た電車が、泥まで綺麗に
浚ったのに、まだ待合所を出なかった女二人、(別に一人)と宗吉をいぶかったのである....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
思ったらしい。ドンと落ちると、盆は、ハッと持直そうとする手に引かれて、俊吉の分も
浚った茶碗が対。吸子も共に発奮を打ってお染は肩から胸、両膝かけて、ざっと、ありた....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、木戸まで急用―― いけ年を仕った、学芸記者が馴れない軽口の逃口上で、帽子を引
浚うと、すっとは出られぬ、ぎっしり詰合って飲んでいる、めいめいが席を開き、座を立....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
かのごとく、廊下を彼方へ、隔ってまた跫音、次第に跫音。この汐に、そこら中の人声を
浚えて退いて、果は遥な戸外二階の突外れの角あたりと覚しかった、三味線の音がハタと....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
であるから汝にはあまり気持が宜しくあるまい……。』 『よもや天狗さんが怒って私を
浚って行くようなことはございますまい……。』 『その心配は要らぬ。今日は神界から....
「多神教」より 著者:泉鏡花
。(戯れながら――熊手にかけて、白拍子の躯、藁人形、そのほか、釘、獣皮などを掻き
浚う。) 巫女 さ、このお娘。――貴女様に、御挨拶申上げて…… お沢 (はっと手....
「瘤」より 著者:犬田卯
だから、理事様らの身代百あわせたって足りやしねえから……組合員の田地田畑根こそぎ
浚っても、まだまだ足りねえから……」 「どうしてまたそんなことに――」 田辺が....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
縁で、その妹の子が、十七の年、川尻で――同じ場所です――釣をしていて、不意に波に
浚われました。泳は出来たが、川水の落口で、激浪に揉まれて、まさに溺れようとした時....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
あります。」 大川は前にも書いたように一面に泥濁りに濁っている。それから大きい
浚泄船が一艘起重機をもたげた向う河岸も勿論「首尾の松」や土蔵の多い昔の「一番堀」....