浩歎[語句情報] »
浩歎
「浩歎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浩歎の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の若い巡査は警部が去ると、大仰《おおぎょう》に天を仰ぎながら、長々《ながなが》と
浩歎《こうたん》の独白《どくはく》を述べた。何でもその意味は長い間《あいだ》、ピ....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
月代が延びていたが異香薫り、家康これ雑兵の首にまぎれぬ為の嗜、惜む可きの士なりと
浩歎した。 岡山天王寺口の戦 五月七日、幸村は最後の戦場を天王寺....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
朝五百年来此の才学なし」とまで評さしめた当時の碩学一条|兼良は『樵談治要』の中で
浩歎して述べて居る。 「昔より天下の乱るゝことは侍れど、足軽といふ事は旧記にもし....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
ております。 彼等はこれを知らずして只|徒らに天を仰いで空しく世道人心の頽廃を
浩歎しているのであります。思い切って鼻を往来の塵に埋めて、 「どうぞや、どうぞ」....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「何を言うのです」
「憎めませんねえ」
「嗚呼《ああ》……」
兵馬は天を仰いで
浩歎《こうたん》しますと、お浜は、いよいよ落ちついたもので、
「憎めません。憎め....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は育ちが違っていやがらあ」 米友は思わずこの世話焼かせ者の、恩知らずの動物に、
浩歎《こうたん》の叫びを発しました。 事実、米友がこの子熊を愛するのは、熊その....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
すね、何とかして上げられないものでございますかねえ」
と、不満の上に、お角さんが
浩歎《こうたん》すると、亭主も、村役も自分の事のように当惑した面《かお》をして、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
動いても悪し、立って退けばまた悪い、百姓というものは浮む瀬がねえ」 と言って彼は
浩歎したのであったが、思いきや、そこで、その悪逆なる罪名を自分が蒙《こうむ》って....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なるを見給え、迷うよ、仏でも迷うのは無理がないなあ」 斎藤一が、二たび、三たび
浩歎して、続いて物語るよう、 「君、実際あの女は、仏を迷わした女なんだが、いいか....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
―無常変転、今不始事ながら、今程昔語に被為成候はんとは、誰も難思事共に候。 と
浩歎した。また、後嗣光尚に宛てた書面にも、 愚老事者。近年他にことなる御したしみ....