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「浩然の気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浩然の気の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
洒落ぐらい、誰はばかって慎もうや、洒落は礼に反するなどと書いた未だ書も見ずという浩然の気が、天のはしたなく湧いて来たことであった。 佐助はもはやけちくさい自己....
田舎教師」より 著者:田山花袋
しらえちゃ、学問ができて思想が高尚になったって、なんの役にもたたん、ちと若い者は浩然の気を養うぐらいの元気がなくっちゃいけませんなア」 などという。 清三が....
道標」より 著者:宮本百合子
ていないで、今年は美術学校も卒業で卒業制作だけを出せばいいから目下のところ大いに浩然の気を養ってます、と語っている。泰造はいそがしさにまぎれてだろう、伸子が特に....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
の精神の根本的要素は、心の拘束されない自由な状態であると思われる。思無邪であり、浩然の気であり、涅槃であり天国である。忙中に閑ある余裕の態度であり、死生の境に立....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
屈するあたわず富貴も淫するあたわず、沈毅、剛勇、冷静、明智になるのだ、孟子の所謂浩然の気はへそを讃美した言葉だ、へそだ、へそだ、へそだ、おまえは試験場で頭がぐら....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
そうで」 寮とは妙だ。見はるかす田ンボのまんなかじゃ、白ハチマキの工員さんは、浩然の気を養うに手もなく、もっぱら精神修養につとめなければならなかったろう。戦争....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
。しかし、そういうものを見て感じるのは、日本の家庭の暗さということで、婆さん連が浩然の気を養うのを咎めたいような気持は起らなかった。もっとも、ちょッと目をそむけ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
が手をふってサヨナラと叫ぶと、古都の子供たちは、サヨナラ、バイバイと言った。 「浩然の気を養うという大人の風格があるよ」 と、感心したのか、ひやかしたのか、わ....
放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
を呼び寄せ、カフェからカフェへ居酒屋から居酒屋へ、久々で盛大なる「宴会」を催おし浩然の気を養った挙句、単独でモナコへ渡り、賭場《とば》モンテカルロですっからかん....
教育家の教育」より 著者:新渡戸稲造
に教育を授けたならば樹も教育家の一つである。また半夜何ということなく宇宙を観じて浩然の気を養うた孟子に取っては森羅万象悉く教育家であろう。またテニソンの如く、花....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、競走に水泳に、ドライヴに乗馬に、積極的に自然へ向って飛び出して行きます。そして浩然の気を養っております。これは誠に結構なことであります。しかし、そういうことを....
三国志」より 著者:吉川英治
。四隣の物情はなんとなく騒然たるものを感ぜしめる。 「そうだ。狩猟にでも行って、浩然の気を養おう」 一僕を連れて、彼は秋の山野を狩り歩いた。 すると、一人の....
黒田如水」より 著者:吉川英治
う早飛脚を立てていた。そして一面には、士気を疲らせないために、時折、軍馬を休め、浩然の気を養わせて、長期戦を期していた。 そうした休戦日のある折だった。黒田官....
四つの都」より 著者:織田作之助
で、彼には物がちいさく見えてならない。 庄平一人大きくなった気持で、悠々と歩く。浩然の気! 突然、 「軍医さん!」 と、呼ばれる。振り向くと辻節子だ。(ハワイ帰....