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「浪路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浪路の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
判っている。翁は身に疲れも出たことなり、漸く舟人に頼み込み、舟の隅に乗せて貰って浪路を辿った。 海路は相模国三浦半島から、今の東京湾頭を横断して房総半島の湊へ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
だ都を巡らす堀もなく 人はただ己に隣る世界の外を知らざりき。 檜の船は未だかつて浪路を凌がず、 人は世界の果てを見んとて船材に斧を入るることもなかりき。 静かに....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
斎隠居は、猶《なお》も腑《ふ》に落ちぬように、 「実は、御城内に上っている、娘の浪路《なみじ》が、この間、会うたとき、江戸初|下《くだ》りの上方《かみがた》役者....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
「姉さんの名は?……」 女は幾度も口籠りながら、手拭の端を俯目に加えて、 「浪路。……」 と言った。 ――と言うのである。……読者諸君、女の名は浪路だそ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
眇眇《びょう》たるうつせみの一身を歩ませ、起るところなく、終るところなく、時間の浪路を、今日も、昨日も、明日も、明後日も、歩み歩み歩ませられて尽くることなき、旅....
源氏物語」より 著者:紫式部
房たちが困って苦しんでいる時、高く声を張り上げて、近江の君が、 「おきつ船よるべ浪路にただよはば棹さしよらん泊まりをしへよ 『たななし小舟漕ぎかへり』(同じ人に....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
いう臆説もある。ドッチにしてももとが小説だから勝手な臆測が許されるが、左母二郎が浪路を誘拐して駕籠を飛ばして来たは大塚から真直ぐに小石川の通りを富坂へ出て菊坂あ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
信念ができているに違いはない。 いかに武蔵でも、こんどの九州行は、決して平安な浪路ではないであろう。――お通は自分を怨む前に、そう思う。――そう思ってはまた、....