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浮
「浮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
の右に佇《たたず》んでいる。ただしこれも膝の上まで。煙の中にはぼんやりと城が三つ
浮かびはじめる。城は Three Castles の商標を立体にしたものに近い。....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
をうけて、赤く幕営の夜の中にうき上っている。その顔がまた、どれもいつになく微笑を
浮べているのは、西楚《せいそ》の覇王《はおう》の首をあげた今日の勝戦《かちいくさ....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
線《しゃみせん》も時々は出してあるんだ。その上そこにいる若槻自身も、どこか当世の
浮世絵《うきよえ》じみた、通人《つうじん》らしいなりをしている。昨日《きのう》も....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
加えたい気色《けしき》を隠す事が出来なかったのであった。左近は喜びの余り眼に涙を
浮べて、喜三郎にさえ何度となく礼の言葉を繰返《くりかえ》していた。
一行四人は....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
蘇《とそ》に酔って、「今日も春恥しからぬ寝武士かな」と吟じた、その句がふと念頭に
浮んだからである。句意も、良雄《よしかつ》が今感じている満足と変りはない。
「や....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ている。そのうちにだんだん達雄に対する彼女の愛を感じはじめる。同時にまた目の前へ
浮かび上った金色《こんじき》の誘惑を感じはじめる。もう五分、――いや、もう一分た....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
言うほどでもない。ただまるまる肥《ふと》った頬《ほお》にいつも微笑《びしょう》を
浮かべている。奉天《ほうてん》から北京《ペキン》へ来る途中、寝台車の南京虫《なん....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
を?」
「頸《くび》のまわりを。やられたなと思ってまわりを見ると、何匹も水の中に
浮いているんだ。」
「だから僕ははいらなかったんだ。」
「※《うそ》をつけ。――....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
「私が見て貰いたいのは、――」 亜米利加人は煙草を啣えたなり、狡猾そうな微笑を
浮べました。 「一体日米戦争はいつあるかということなんだ。それさえちゃんとわかっ....
「初雪」より 著者:秋田滋
右のほうを望むと、サント・マルグリット島とサント・オノラ島が、波のうえにぽっかり
浮び、樅の木に蔽われたその島の背を二つ見せている。 この広い入江のほとりや、カ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
わせに来るようなことがあると、力の許す限りは返答をした。一八三六年からは、灯台と
浮標との調査につきて科学上の顧問となり、年俸三百ポンドをもらった。 一八三五年....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ましているのだったが、千一夜物語のシュヘラザアデの想像はとうてい彼女たちの頭には
浮んで来なかった。 この遊びももう止めにしようとしていた時である、先刻から、未....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
うまでもないことだ。ところが、イカバッドの切りひらいてゆかねばならぬ路は、田舎の
浮気娘の心に通じていて、そのまわりには気まぐれや
浮気の迷路があり、絶えず困難や障....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
通るのを見て、立ちどまって言った。 「今日は、小父さん」 私の脳裡にこんな考が
浮んだ、「この子を殺したら?」 私はその子に答えた。 「坊や、ひとりでいるの?....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
を夢みて、奔流する水道を、白波たつ波頭を蹴散らし蹴散らし、いささかのセンチを目に
浮べて、悲喜交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、逆に白波を追っていた連絡船の中で....