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浮かせる
「浮かせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮かせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
は顔を上げた。蒼白《あおしろ》き頬《ほお》の締《しま》れるに、薄き化粧をほのかに
浮かせるは、一重《ひとえ》の底に、余れる何物かを蔵《かく》せるがごとく、蔵せるも....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
の母様が来て、つくづく若様の不始末を愚痴るのが、何だか僕が取巻きでもして、わッと
浮かせるようじゃないか。 高利を世話して、口銭を取る。酒を飲ませてお流頂戴。切....
「美しき月夜」より 著者:宮本百合子
」 「ちょっと……」 マージーは、彼に委せた右の腕にグッと力を入れながら、体を
浮かせるようにして、不自然な形で後方に残った左足を前へ引こうとした。 「どうした....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
やるのは……」 「さあどうですかなあ。とにかく赤見沢博士という大学者は仔猫を宙に
浮かせるような奇妙な実験をしてみせる、恐るべき人物です」 「それは魔法かな、奇術....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
に関する通信文を記入しておく。次にこの土器に水を同じ高さに入れておいてこの木栓を
浮かせると両方の棒は同高になること勿論である。そこでこの容器の底に穴をあけて水を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ち出しさえすれば、目的は達するのだが、しかし場合によっては、船全体をある程度まで
浮かせることの方が、内部へ潜入して、機関の一部を持ち出すよりも容易なこともある。....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
けれど、ちょっとこれから、外出致しますから、あしからず。」といいさして優美に腰を
浮かせると、新子が眼のやりばにこまったほど、色っぽい眼差しで、夫君を見おろして、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
を越えて右足をまず地袋の棚の上へ置く。右手は窓の框に引っ掛けて躰を支え、少し躰を
浮かせるようにして左足を地袋の上へ引き込む。そこで音を立てずに畳の上へ降りようと....
「神楽坂」より 著者:矢田津世子
してな、と迎いの人に案内をさせ、あわよくばその案内人の家へ泊りこんだりして宿賃を
浮かせる算段をする。汽車旅をする人たちはどういうものか気が大まかになって新聞や雑....