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浮かむ
「浮かむ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮かむの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「手紙」より 著者:夏目漱石
続いているので、自分たちだけには単なる「あのこと」でいっさいの経過が明らかに頭に
浮かむせいか、べつだん改まって相手の名前などは口へ出さないで済ますことが多かった....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
い間接にもせよ、婆羅門僧の死に原因を与えた者は、贖罪の途なき大罪人であって、永劫
浮かむ瀬なきものと信ぜられている。故に死をもって債務者を威嚇するには、この上もな....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
には油絵の裸体美人が一人突立って、両手を頭の上に組んで向う向きに立って草原の涯に
浮かむ朝の雲を見ている。構図は頗る平凡であるが、筆者は評判の美人画家青山|馨氏だ....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
ぬ。 すべて知られてならぬ事は、知られてならぬ場合に限って特別にハッキリと心に
浮かむものであります。長い事忘れていた借銭でも、貸した奴の顔を見ると忽ちに思い出....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
骨を斬る。間違っても合討ちとはなろう。打ち合わす太刀の下こそ地獄なれ身を捨てこそ
浮かむ瀬もあれ。一刀流の極意の歌だ。貴殿は中年も過ごして居る。今更剣を学んだ所で....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は、この一郭から立ち去ったが、ちょうどそのころ一つの影が小門を持った小家の前へ、
浮かむがように現われた。
ほかならぬ目明しの代官松であった。
小門のあ....