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「浮世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浮世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
祇《しんぎ》、釈教《しゃっきょう》、恋《こい》、無常《むじょう》、みないりごみの浮世風呂《うきよぶろ》」といった光景は、今もそのころと変りはない。風呂の中で歌祭....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
線《しゃみせん》も時々は出してあるんだ。その上そこにいる若槻自身も、どこか当世の浮世絵《うきよえ》じみた、通人《つうじん》らしいなりをしている。昨日《きのう》も....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、静にその硝子戸棚の前を去って、隣のそれに並べてある大蘇芳年《たいそよしとし》の浮世絵の方へ、ゆっくりした歩調で歩みよると、 「じゃこの芳年《よしとし》をごらん....
或る女」より 著者:有島武郎
ろう。若い時に父親に死に別れてから、万事思いのままだった生活からいきなり不自由な浮世のどん底にほうり出されながら、めげもせずにせっせと働いて、後ろ指をさされない....
婦系図」より 著者:泉鏡花
へ、幾条も幾条も家中の縁の糸は両親で元緊をして、颯さらりと鵜縄に捌いて、娘たちに浮世の波を潜らせて、ここを先途と鮎を呑ませて、ぐッと手許へ引手繰っては、咽喉をギ....
親子」より 著者:有島武郎
すっかり暗くなった囲炉裡のまわりには、集まって来た小作人を相手に早田が小さな声で浮世話をしていた。内儀さんは座敷の方に運ぶ膳のものが冷えるのを気にして、椀のもの....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
附の果敢い身の上。」 二十三 「名古屋の大須の観音の裏町で、これも浮世に別れたらしい、三味線一|挺、古道具屋の店にあったを工面したのがはじまりで、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
た。こんな処でよろしければ、山で樹の数、幾つだって構やあしませんと、……今度は(浮世はなれて奥山ずまい、恋もりん気も忘れていたが、)……で御機嫌を取結ぶと、それ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
聳てる。 といううちに、ふと風が静まると、広小路あたりの物音が渡って来て、颯と浮世に返ると、枯蓮の残ンの葉、折れた茎の、且つ浮き且つ沈むのが、幾千羽の白鷺のあ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
と細いが聞くものの耳に響く、透る声で言いながら、どこをどうしたら笑えよう、辛き浮世の汐風に、冷く大理石になったような、その仏造った顔に、寂しげに莞爾笑った。鉄....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
迷いの少ないものはそのまま側路に入らず、すぐに産土神のお手元に引きとられる。殊に浮世の罪穢に汚されていない小供は例外なしに皆そうで、その為めこの娘なども、帰幽後....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
ったが、それまでには、私の口からこんなことを申すのは口幅広いことのようであるが、浮世草紙の類は、一万巻は読んでいると思う。この頃『一代男』を一円で買ったものであ....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
でに了れりとし主家の結末と共に進退を決し、たとい身に墨染の衣を纒わざるも心は全く浮世の栄辱を外にして片山里に引籠り静に余生を送るの決断に出でたらば、世間において....
活人形」より 著者:泉鏡花
室に引入れられて亡き母の存生りし日を思い出し、下枝は涙さしぐみぬ。さはあれ業苦の浮世を遁れ、天堂に在す御傍へ行くと思えば殺さるる生命はさらさら惜からじと、下枝は....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
築研究は着々進んでいるから、これを採用すれば必ず軍の要求に合し得るものと信ずる。浮世が恋しい人々は現役を去るが宜しい。昭和維新のため、東亜連盟結成のため、満州国....