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「浮世離れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浮世離れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
ともかくもむつかしい学問に関係した人事の相談である。寄り合う人々はみんなまじめな浮世離れのした中年以上の学者ばかりである。こういう会が朝の十時ごろから始まって昼....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
じっとしている。天下タイヘイで御座候だ。 * (十一月×日)浮世離れて奥山ずまい、こんなヒゾクな唄にかこまれて、私は毎日|玩具《おもちゃ》の....
眼を開く」より 著者:夢野久作
らせられる出来事にぶつかったものである。 つまり私は、そうした隠遁生活をして、浮世離れた創作に熱中していたために、法律にかからない一つの殺人罪を犯したのであっ....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
た――風はいま吹きつけたが――その不思議に乱れぬ、ひからびた燈心とともに、白髪も浮世離れして、翁さびた風情である。 「翁様、娘は中肉にむっちりと、膚つきが得う言....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ヴァンニの遠い家や、その友人、母親、姉妹などについてたずねた。その質問はまったく浮世離れのした、流行などということはまったく掛け離れたものであったので、ジョヴァ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の七兵衛自身ですらが、苦笑するほどの連中ばかりです。ことほど、それほど、七兵衛も浮世離れした気分になって、多数の後ろで、悠々閑々と耳もとを撫でたり、また珍しくも....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
喧噪からは相当隔離されているし、そうかといって、煙塵を絶ち、米塩に事を欠くほどに浮世離れはしていないのですから、かりそめの閑者を扱うためには甚だ便利がよいのです....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
そこで店には美形が七人居並び、楽屋にはコック一名、このコックが、いつたい哲学者は浮世離れがしてゐるなどゝは、いづこの国の伝説だか、彼が又実に発明、ひどい奴で、よ....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
中、お母さんから、さらしの襦袢二枚送って来る。 目標を消す 十一月×日浮世離れて奥山ずまい…… ヒゾクな唄にかこまれて、私は毎日玩具のセルロイドの....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
るい》と、また蠢々《しゅんしゅん》と、動きまわり、かたまり合っているところ、実に浮世離れのしたながめであった。 何者の力、何者の仕事であろう。 こうして、人....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
あそこは日焼けがひどいね。じゃ、どうです。いっそコルシカへいらしちゃ。……手近で浮世離れしたなんてのはあそこ以外にはありませんな。春なんざすてきなもんですよ。そ....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
て経験したんだが、何ともいえない、何となく忘れられない心持がするもんだね。」 「浮世離れてッて云う歌があるじゃないの。……奥山ずまい。」 「すみちゃん。おれは昨....
和製椿姫」より 著者:大倉燁子
の劇が演じられています。僕も一役をかっているんですが――」と真面目臭って云った。浮世離れたこの一室は美耶子のあこがれの世界なのであろうか。彼女ばかりでなく、青年....
軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
い時分から、行末は尼になるべき女だと、誰れからも云われて居りました。子供の時から浮世離れしていたあたくしが、年を取って、本当の苦労を経験しますと、人生の皮相な、....
大岡越前」より 著者:吉川英治
らまし もう町は師走に入っていた。年暮の忙しさ。その中を、金春流の素謡の節を、浮世離れた悠長さにながしてゆく。――が、咎める者もなく、また、芳捨の銭も、稀にし....