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浮彫
「浮彫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮彫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
スーッと下にさがった。 中には純白の緞子《どんす》張りの壁が見えた。その中から
浮彫りのようにぬけいでた一個の麗人があった。頤から下を、同じく純白の絹でもって身....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
、見たこともないような立派なナイフだった。見るからに婦人持らしい華奢な形で洒落た
浮彫りのある象牙の柄には、見れば隅の方になにか細かな文字が彫りつらねてある。警部....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
夏近い日光を吸っている。高い天井は、他の室と同じ英国貴族の邸宅に見るような花紋の
浮彫りがしてあり、古代ギリシヤ型の簡素な時計が一個、書籍を山積した大デスクの上壁....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
だった。部厚な扉の両面には、古拙な野生的な構図で、耶蘇が佝僂を癒やしている聖画が
浮彫になっていた。その一重の奥に、グレーテ・ダンネベルグが死体となって横たわって....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
かなり重い。そして夜目にもぴかぴかと黄いろく光っている。そしてその上には、うすく
浮彫になって、横を向いた人の顔が彫りつけてあり、そのまわりには、鎖と錨がついてい....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
るが、いかにも廃屋らしく見える。 この本館の玄関の大戸は、手のこみ入った模様の
浮彫のある真鍮扉であったが、これはぴったりと閉っているばかりか、壁との隙間には夥....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
鼠よ、栗鼠よ、古栗鼠の小栗鼠が、樹の根の、黒檀のごとくに光沢あって、木目は、蘭を
浮彫にしたようなのを、前脚で抱えて、ひょんと出た。 袖近く、あわれや、片手の甲....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
て、さっと散って、この光堂の中を、空ざまに、ひらりと紫に舞うかと思うと――羽目に
浮彫した、孔雀の尾に玉を刻んで、緑青に錆びたのがなお厳に美しい、その翼を――ぱら....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
い不思議な模様が、前方に映ることです。しかし、その正体というのは、鏡の裏面にある
浮彫りなんですよ。それは、最初鏡を磨く際に、模様のある低い部分が、一端は凹むので....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
な芝草の上や叢の上に流れていた。その叢の蔭の方には、古い僧院の崩れた跡があって、
浮彫の円柱や、壊れた門や、壊れた廻り廊下や、破れた窓などが悲惨な姿をまざまざと露....
「バークレーより」より 著者:沖野岩三郎
で副門を作っている。柱上には青銅のブリッジが渡されて、セイサアゲエトという文字が
浮彫りにされ、礎石には『千九百十五年』という文字が刻まれている。 此の門を入っ....
「起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
名で、田村さんのお屋敷は代官の金蔵があった跡である。 この地蔵さんは矩形の石に
浮彫をしたもので、底が平らでないから、そのままでは佇立できず、あとから土台石をつ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ふさしたみごとな髯――それが生えるがままに伸びて、くっきりと高い鼻をいやが上にも
浮彫し、まるで太古の神々の中の一人でもあるかのように見えるのである。 これは通....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
すっと風を吸って、ぴたりと合って、むくりと一個、瓜が据る。肉取り、平象嵌、毛彫、
浮彫、筋彫、石め、鏨は自由だから、蔓も、葉も、あるいは花もこれに添う。玉の露も鏤....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
を計って、釣合を取って、撫でてかぐ。)……とそう云うんですッて、大変だわね。毛彫
浮彫の花鳥草木……まあ私のお取次ぎは粗雑ですよ。(匂がする、)と言うくらいだから....