浮浪[語句情報] »
浮浪
「浮浪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮浪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
っともこれは伝吉につけ狙《ねら》われていることを知ったからではない。ただあらゆる
浮浪人のようにどこかへ姿を隠してしまったのである。伝吉は勿論|落胆《らくたん》し....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《なげう》っても、恩に報いたいと決心しました。またこの恩を返す事は、勘当を受けた
浮浪人《ふろうにん》のわたしでなければ出来ますまい。わたしはこの二年間、そう云う....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
て見ると、どうも普通の人間ではない。話すことと云い、話し振りと云い、その頃東洋へ
浮浪して来た冒険家や旅行者とは、自《おのずか》ら容子《ようす》がちがっている。「....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ーっといって出した唾《つば》を危くその面《かお》に吐きつけようとした。
この頃
浮浪人が出て毎晩集会所に集って焚火《たきび》なぞをするから用心が悪い、と人々がい....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
地方である。そしてその大部分は浮游癩というか、四国遍路ないしは乞食となって仏蹟を
浮浪してまわっているのが多い。したがって私は幼時から癩を意識したり癩者を見たりす....
「蠅男」より 著者:海野十三
て、いっかな帆村を帰そうとはしなかった。 帆村は予定どおり、夜の闇にまぎれて、
浮浪者姿で天王寺公園に入りこんだ。 「こらッ、お前なんや?」 乾からびた葡萄棚....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
れた文人の目腐れ金に課税した処で結局手数損じゃ無かろう乎。が、之まで較やもすると
浮浪人扱いされた文人の収入を税源にしようというは、済生会の寄付金を勧誘されたよう....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
日の朝にも三回、春木少年はお稲荷さんの祠を偵察した。 だが、彼が見たいと思った
浮浪者の姿を見ることはできなかった。その
浮浪者は、その夜はとうとうこの祠の中の寝....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
うになった。それは、事件の少し前まで、毎日のようにこの近所をうろついていた老人の
浮浪者が、どういうものかあの頃以来さっぱり姿を見せないといううわさだった。 そ....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
際性を失つたかわりに映画はそのとき始めて確実に民族のふところにかえつたのである。
浮浪性を精算して深く民族の土に根を降し始めたのである。これを退歩と見るか進歩と見....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
三十日―― 子供の死体が発見された。犯人の捜索が始った。ああ。 九月一日――
浮浪人が二人あげられた。が、証拠があがらなかった。 九月二日―― 殺された子....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ると、『八犬伝』も八犬具足で終って両|管領との大戦争に及ばなかったらやはりただの
浮浪物語であって馬琴の小説観からは恐らく有終の美を成さざる憾みがあろう。そういう....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
石の昔より、往来の旅人に袖をあげさせ、手を翳させたものだった、が、今はない。……
浮浪の徒の春の夜の焚火に焼けて、夜もすがら炬火を漲らせ、あくる日二時頃まで煙を揚....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
果であった。二葉亭に親近するものの多くは鉄槌の洗礼を受けて、精神的に路頭に迷うの
浮浪人たらざるを得なかった。中には霊の飢餓を訴うるものがあっても、霊の空腹を充た....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
酒場にはいってくると、つかつかととおりぬけて、おくの客部屋のほうへ歩いていった。
浮浪者のトーマスだ。 そのすばやさときたら、はっと気づいたときには、もう男はお....