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「浮浪児〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浮浪児の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
美男子と煙草」より 著者:太宰治
を、あとで記者が持って来てくれた。笑い合っている写真と、それからもう一枚は、私が浮浪児たちの前にしゃがんで、ひとりの浮浪児の足をつかんでいる甚《はなは》だ妙なポ....
永遠のみどり」より 著者:原民喜
そこから市内は一目に見渡せた。すぐ叢《くさむら》のなかを雑嚢《ざつのう》をかけた浮浪児がごそごそしている。それが彼の眼には異様におもえた。それからバスは瓦斯《ガ....
新しきシベリアを横切る」より 著者:宮本百合子
窓ガラスが壊れて寒いので、窓の方の側へずらして帽子をかぶり、外套片袖ひっかけて浮浪児みたいな風体で坐ってる。 二人で代り番こに本の目録を作るためタイプライタ....
従妹への手紙」より 著者:宮本百合子
ている。だんだん「子供の家」にもいろんな種類ができて、日本でいう不良少年のような浮浪児を教育する「子供の家」と孤児の「子供の家」とは別になっている。 私たちの....
祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
の雰囲気はへんにちぐはぐで、気勢が揚がらず、裏町が目立って淋しい。橋のたもとで、浮浪児めいた子供が四五人、飴をしゃぶりながらメンコを闘わせているのを、赤い鉢巻を....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
帝人の江口榛一が酔っ払って帰れなくなり、新宿駅前の交番へ泊めてもらって、居合した浮浪児とだき合って一夜をあかしたそうであるが、翌朝帰るときに、浮浪児が、オジサン....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
口営業というものに私をつれて行ってちょうだいよ。私、まだ、インフレの裏側とやら、浮浪児もパンパンも裏口営業も見たことがないわ」 「何を言ってますか。当病院がイン....
遺恨」より 著者:坂口安吾
いなら、もう一生涯、料理屋の門をくゞるまい。自分はもう現代の落伍者なのだ、乞食も浮浪児も、配給なしに料理屋の料理を食って暮しているというのに、自分は一体、何者な....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
はをらぬのだが、妖怪的な強さがましたので、つまり私は観音様の縁の下とか上野公園で浮浪児になつても、めつたなことで同僚のおくれをとらない程度に、男の子は風の子とい....
母の上京」より 著者:坂口安吾
もないのでね」 「そんなこと、かまやしませんわよ」 「さうかい。上野も近いしね。浮浪児の仲間入りをするか」 浮浪児の仲間入りといふよりも、ヒロシの仲間入りと言....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
強盗、やがて一家をなしてボスとなる。これが昔なら大名だ。集団強盗の手先をつとめる浮浪児の一人が、顔は猿に似ているが、智恵がある。しかるべく立身出世して天下をとっ....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
り様と遊んでみよう、という。これは甚だ健康だが、しかし、ヒロポン中毒のダンサーや浮浪児なども、もとはといえば、そういう健全娯楽の精神でイタズラをはじめて、中毒し....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
わけだ。 この船の料理方の大和は船底のボス、深海魚のような男であった。彼は海の浮浪児だった。子供の時に密航を企てて外国船に乗りこみ、それ以来、外国商船や捕鯨船....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
づいている成子にはこの心境は無縁であった。そこで成子は考えていた。 「この初老の浮浪児は楽天的だが、ウワベに見せていることと、腹の底とは違っているようだ。川田に....
だいこん」より 著者:久生十蘭
食べるものがなく、インフレーションに苦しんで平価切下げをやり、伊太利はギャングと浮浪児の巣で、英国は阿片とコカインの大流行だった。あらゆる前例どおり日本にも間も....