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浮浪者
「浮浪者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮浪者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
とブラシを使いながら、 「あげられちゃったの」 「悪いことしたのか」 「ううん。
浮浪者狩りにひっ掛ったのよ。寝屋川のお寺に入れられてたんえ」 「逃げて来たのか」....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ように町を歩きまわっていた。放浪者を気取っていたが、気取るまでもなく、妙に薄汚く
浮浪者じみて来たと思った。相かわらず、ぞおっとする想いで赤井の顔が泛んで来た。ひ....
「世相」より 著者:織田作之助
前に感覚的な同情が先立って、中へ入れたのだ。横堀の身なりを見た途端、もしかしたら
浮浪者の仲間にはいって大阪駅あたりで野宿していたのではないかとピンと来て、もはや....
「蠅男」より 著者:海野十三
て、いっかな帆村を帰そうとはしなかった。 帆村は予定どおり、夜の闇にまぎれて、
浮浪者姿で天王寺公園に入りこんだ。 「こらッ、お前なんや?」 乾からびた葡萄棚....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
日の朝にも三回、春木少年はお稲荷さんの祠を偵察した。 だが、彼が見たいと思った
浮浪者の姿を見ることはできなかった。その
浮浪者は、その夜はとうとうこの祠の中の寝....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
うになった。それは、事件の少し前まで、毎日のようにこの近所をうろついていた老人の
浮浪者が、どういうものかあの頃以来さっぱり姿を見せないといううわさだった。 そ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
きに里に出て、乞食をする、盗みを働く、人殺しなども平気でやるという始末に負えない
浮浪者の群れで、この山のなかにも二三十人ほどは巣を作っているのだそうです。あまり....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
との間に、大したギャップがないのだ。いわば板についた汚なさだ。公園のベンチの上で
浮浪者にまじって野宿していても案外似合うのだ。 そんな彼が戎橋を渡って、心斎橋....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
とも近所といっても、焼跡ばかしだが……」 「そう言われるだろうと思って、大阪駅の
浮浪者に、毛布だとか米だとかパンだとか、相当くれてやって来たんですよ」 「ほう、....
「郷愁」より 著者:織田作之助
百貨店の地下室の入口の前まで降りて行った時、新吉はおやっと眼を瞠った。 一人の
浮浪者がごろりと横になっている傍に、五つ六つ位のその
浮浪者の子供らしい男の子が、....
「神経」より 著者:織田作之助
一 今年の正月、私は一歩も外へ出なかった。訪ねて来る人もない。ラジオを掛けっ放しにしたまま、
浮浪者の小説を書きながら三※日は見たくなかった。が、ラジオのレヴュ放送を聴いてい....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
ンペンの本来の意味は、ボロとか屑とかいう意味である。 つまり、宿なし、失業者、
浮浪者といった意味のルンペンとは、人間のボロ、人間の屑というわけであろう。 宿....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
それから塚田巡査に発見されるまでは、重蔵も夢心地で何にも知らなかった。 老たる
浮浪者の懺悔は之で了った。 「私も女房や子を捨てて逃げました。友達を殺して逃げま....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
酒場にはいってくると、つかつかととおりぬけて、おくの客部屋のほうへ歩いていった。
浮浪者のトーマスだ。 そのすばやさときたら、はっと気づいたときには、もう男はお....
「明るき世界へ」より 著者:小川未明
おう。そうすれば、それまでのことだ。だから体を鍛えなければならない。」と、宇宙の
浮浪者である風は、語って聞かせました。 哀れな木の芽は、風のいうことをともかく....