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「浮立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浮立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
守の家」より 著者:伊藤左千夫
《もちつ》きも終えて、家の中も庭のまわりも広々と綺麗《きれい》になったのが、気も浮立つ程嬉しかった。 「もう三つ寝ると正月だよ、正月が来ると坊やは五つになるのよ....
妖術」より 著者:泉鏡花
これを聞棄てに、今は、ゆっくりと歩行き出したが、雨がふわふわと思いのまま軽い風に浮立つ中に、どうやら足許もふらふらとなる。 四 門の下で、後を振....
」より 著者:宮本百合子
の朝、天気は申し分のない麗らかさであった。暖い溶けるような日の色といい、爽やかな浮立つような微風といい。彼女は、ハンスと婚礼した時からの思い通り、由緒ある伊太利....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
机の前に坐って、やや右手の下方から眺めたり、夜、スタンドの灯のややほのかな逆光に浮立つ白さを眺めたり大いにたのしみました。ことしは美味しいものもなかったし、賑や....
上野」より 著者:永井荷風
、根津の廓からの流丸《それだま》ならずば権君御持参の高帽子、と女中はてん/″\に浮立つゝ、貯蓄《とつとき》のイラツシヤイを惜気もなく異韻一斉さらけだして、急ぎい....
霊廟」より 著者:永井荷風
相対して立つ御手洗《みたらし》の石の柱の整列とは、いずれも幽暗なる月の光の中に、浮立つばかりその輪郭を鋭くさせていたので、もし誇張していえば、自分は凡て目に見る....