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浮織
「浮織〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮織の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
として世辞に云って、衣兜から御殿持の煙草入、薄色の鉄の派手な塩瀬に、鉄扇かずらの
浮織のある、近頃行わるる洋服持。どこのか媒妁人した御縁女の贈物らしく、貰った時の....
「道標」より 著者:宮本百合子
、伸子は藤堂駿平のとまっているサヴォイ・ホテルへ敬意を表しに行った。
金ぶちに
浮織絹をはった長椅子のある立派な広い室で、藤堂駿平は多勢の人にかこまれながら立っ....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
、依然として旧態を更めざりき。 秋の末にもなりたれば、籐筵に代うるに秋野の錦を
浮織にせる、花毛氈をもってして、いと華々しく敷詰めたり。 床なる花瓶の花も萎ま....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
癖から、一時の物として、つい奮発することになったのだろう。果してこの異国の花卉を
浮織にした絨毯はその後あまり役に立ったとは見えなかった。 宴会の当日は、明治初....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
なった着物を、肩へ当てて、妹に見せた。深雪は、涙ぐみながら、大久保小紋の正月着、
浮織の帯、小太夫鹿子の長襦袢、朧染の振袖と、つづらから出して、積み上げた。
七....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
の若い者。双子の着物に白ッぽい唐桟の半纏、博多の帯、黒八丈の前垂、白綾子に菊唐草
浮織の手巾を頸に巻いたが、向風に少々鼻下を赤うして、土手からたらたらと坂を下り、....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
いわねばなりません。 染物にも劣らず、美しいのは織物であります。織方も様々で、
浮織といって、模様の部分を浮き糸にさせるものや、綾織や絽織や、変化が多いのであり....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
流の晴の扮装に恍惚として、自分達までが武者振いのようなものを覚えた。 巌流は、
浮織の白絹の小袖に、眼のさめるような、猩々緋の袖無羽織をかさね、葡萄色の染革の裁....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
腹立たしげに投げ捨てた。 見るとそれは、ところどころ火に焦がされた女の被布、
浮織唐草の江戸紫は、まぎれもなく、お綱の着ていたものである。 火焔の中から、無....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
であった。 奥寄りの壁際には、これもお粗末な木のベッドが寄せてあった。薄紅色の
浮織りのクッション、白い蒲団のカバー。 それだけ、 や、まだあった、白い笠の....