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浮腫
「浮腫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮腫の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
薬のくすぶったのが吊されている。店をとおって奥まった部屋へとおされた。そこには、
浮腫《ふしゅ》でもあるのか睡《ねむ》たそうな目をした、五十がらみのずんぐりとした....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
が入って来ると、真積氏は、その男を杏丸医学士といって紹介した。 杏丸は、まるで
浮腫でもあるような、泥色の黄ばんだ皮膚をしていて、見るからに沈欝な人相だった。然....
「世相」より 著者:織田作之助
を時代遅れの防空頭巾を被って訪れて来た客も、頭巾を脱げば師走の顔であった。青白い
浮腫《むくみ》がむくみ、黝《あおぐろ》い隈《くま》が周囲《まわり》に目立つ充血し....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
六ヶ敷い顔で立上ると、重い調子で言いました。 「……こりゃあ。切断のために出来た
浮腫じゃあないよ。君達は、あのフィラリヤって言う寄生虫のために淋巴管が閉塞がれて....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
車を駆ってやって来たが、以前の生気はどこへやらで、先刻うけた呵責のため顔は泥色に
浮腫んでいて、まるで別人としか思われぬような憔悴れ方だった。この老史学家は指を神....
「臨終まで」より 著者:梶井久
は大いにあると思って、決心して診察室へはいりました。医師の言われるには、まだ足に
浮腫が来ていないようだから大丈夫だが、若し
浮腫がくればもう永くは持たないと言うお....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
記し、面は黄に黒く、項頸《うなじ》の傍《かたわら》、肉少く、目の下|微《すこ》し
浮腫《ふしゅ》し、其後|腫脹《しゅちょう》弥《いよいよ》甚しかったと記してある。....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
するのは、一首が人麿一流の声調で、強く大きく豊かだということである。そしていて、
浮腫のようにぶくぶくしていず、遒勁とも謂うべき響だということである。こういう歌調....
「絶縁体」より 著者:豊島与志雄
も、だいぶ大きく脹れ上ってるのが分った、ばかりでなく、脛のあたりにもなんだか軽い
浮腫があるようにも思えた。 市木さんはウイスキーのグラスを挙げながら、私の視線....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
くの阿片吸飲者でもあって、皮膚にはどこか薄気味悪い――まるで象皮腫のそれのような
浮腫が一面に拡がっているのだった。 しかし、彼が孤島から救われた一人であること....
「骨仏」より 著者:久生十蘭
、このごろは午後か夜か、かならず一度はやってくる。いきなり蒲団の裾をまくって足の
浮腫《むくみ》をしらべ、首をかしげながらなにかぶつぶついっていたが、そのうちに厨....
「痀女抄録」より 著者:矢田津世子
になって、寿女は家へ呼び戻された。加福の師匠のはからいで近くの医者にかかったが、
浮腫はなかなか引かなかった。 尾久の家から嫂が見舞いに来た。かえりしな、物欲し....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
に、爾来《じらい》風力を測《はか》る能《あた》わざるに至りし事、及び妻《さい》の
浮腫病《ふしゅびょう》これなり、しこうしてこの病《やまい》や、実にこれ味方敗北の....