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浮舟
「浮舟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮舟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
和の四年に相成りました。其の年の秋までに謀策を仕遂せるのに一番むずかしいものは、
浮舟という老女で年は五十四で、男優りの尋常ならんものが属いて居ります。此者を手に....
「わからないこと」より 著者:宮本百合子
達の優婉さ、賢さ、風情、絵巻物風な滑稽等の生彩ある活躍にまぎれると、結局末摘花や
浮舟その他の人物の立派な紹介者というだけの場合さえあるようだ。種々な作品を一般に....
「姨捨」より 著者:堀辰雄
ちょう》のうちに打ち臥しながら、そればかりを読みつづけていた。夕顔《ゆうがお》、
浮舟《うきふね》、――そう云った自分の境界にちかい、美しい女達の不しあわせな運命....
「源氏物語」より 著者:紫式部
告げになった。女も珍しい楽しい路のような気がして、 橘の小嶋は色も変はらじをこの
浮舟ぞ行くへ知られぬ こんなお返辞をした。月夜の美と恋人の艶な容姿が添って、宇....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ひと時は目に見しものをかげろふのあ るかなきかを知らぬはかなき(晶子) 宇治の山荘では
浮舟の姫君の姿のなくなったことに驚き、いろいろと捜し求めるのに努めたが、何のかい....
「源氏物語」より 著者:紫式部
純な者でわきまえの少なかったせいか、それをつまびらかに言うことをなしえなかった。
浮舟の姫君はこの時気分が癒り、意識が少し確かになって見まわすと、一人として知った....
「源氏物語」より 著者:紫式部
。 小野では深く繁った夏山に向かい、流れの蛍だけを昔に似たものと慰めに見ている
浮舟の姫君であったが、軒の間から見える山の傾斜の道をたくさんの炬火が続いておりて....
「『新新訳源氏物語』あとがき」より 著者:与謝野晶子
もとより、母の三位の歌にも数等劣った作ばかりのものであった。 更科日記にすでに
浮舟の姫君のことがいわれているが、更科日記は後年になって少女時代からのことを書き....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
。軒を並べているところから、これを一名|並び茶屋ともいう。
「梅本」「嬉し野」「
浮舟」「青柳」など、筆太に染め出した、浅黄の長い暖簾などが、ヒラリヒラリとなびい....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
めた。 壁に三味線がかかっている。久しぶりの爪《つま》びき。 「恋すちょう身は
浮舟のやる瀬なさ、世を宇治川の網代木《あじろぎ》や、水にまかせているわいな」 ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
枕頭に取詰めて、このくらいなことで半日でも客を断るということがありますか、死んだ
浮舟なんざ、手拭で汗を拭く度に肉が殺げて目に見えて手足が細くなった、それさえ我儘....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
の上はまだしもさ、悪くすると十九日には障子の桟なんぞに乗っかってる内があるッさ。
浮舟さんが燗部屋に下っていて、七日ばかり腰が立たねえでさ、夏のこッた、湯へ入っち....
「軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
浄な凉気のなかで読む物語の味いも、下界で読むのとは、自から異っているらしい。 「
浮舟の侍女某は、
浮舟に思いを寄せて何かと世話をしたがる美青年の薫を一瞥して以来、....
「古い暦」より 著者:長谷川時雨
、先生のお家の人はみんな舞踊《おどり》の稽古にいそしんでいた。 先生は、私が「
浮舟の巻」という題で、二幕ものの、「源氏物語」宇治十帖の中の
浮舟のことを書いてゆ....
「紫式部」より 著者:長谷川時雨
しは、紫式部が、いろいろな女性を書いて来た後に、手習《てならい》の君《きみ》――
浮舟《うきふね》を書いたことに、なんとなく心をひかれていた。 美女、才女、あり....