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浮薄
「浮薄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浮薄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
也。文弱とは肉体の力よりも精神の力を重んずるを言ふ。
「その二は軽佻《けいてう》
浮薄也。軽佻
浮薄とは功利の外に美なるものを愛するを言ふ。
「その三は傲慢《がうま....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
だらなく見えた。どうも貧弱で、いやに小さくまとまっていて、その上またはなはだ軽佻
浮薄《けいちょうふはく》な趣がある。これじゃ頼もしくないと思って、雑木《ぞうき》....
「或る女」より 著者:有島武郎
れども)これほどの忙しさの間にも自分を粉飾するのを忘れずにいる葉子自身がいかにも
浮薄なたよりないものだった。葉子はこうした心になると、熱に浮かされながら一歩一歩....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
私が今日ここにお話しいたしましたデンマークとダルガスとにかんする事柄は大いに軽佻
浮薄《けいちょうふはく》の経世家を警《いまし》むべきであります。....
「親子」より 著者:有島武郎
とはまるで違って、四十|恰好の肥った眇眼の男だった。はきはきと物慣れてはいるが、
浮薄でもなく、わかるところは気持ちよくわかる質らしかった。彼と差し向かいだった時....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
り、憎しみを心の中に燃やしながら、寛大らしい振舞いをしたりしたろう。そしてそんな
浮薄なことをする結果として、不可避的に心の中に惹き起される不愉快な感じを、お前は....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
くれよ」 田島の声は、見ず転芸者を馬鹿にしているような句調ながら、まんざら全く
浮薄の調子ではなかった。また、出来ることなら吉弥を引きとめて、自分の物にしたいと....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
い自動車もそんなものは影も形もなく消えうせている。夜中のような静けさの中に人間の
浮薄をいましめる雪の荘厳がひしひしと迫る。机の上の空論と屁理窟とを木葉微塵にうち....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
リスト信者の会話は現代人の会話と全然ちがっていたこと、すなわち現代人の会話は実に
浮薄で無意味で、古代のかれらとは全然かけ離れている。かれらの言葉は教訓的であり、....
「思い」より 著者:伊丹万作
なる思いに沈んでいたところが、たまたま耳に流れてくるラジオの歌曲の相も変らぬ低劣
浮薄な享楽調に思わず耳をおおいたくなつた。 これらのラジオは同じ政府の指導のも....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
るでそういう道具に師匠をつかってる人があると言ってもいい程、それほど師弟の関係は
浮薄な気がします。一生涯画を描いて過ごそうと覚悟して画家を志し、そうした生涯の仕....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
た。が、それほど情が濃やかだったので、同じ遊蕩児でも東家西家と花を摘んで転々する
浮薄漢ではなかったようだ。 沼南は本姓鈴木で、島田家の養子であった。先夫人は養....
「古い記憶を辿って」より 著者:上村松園
の事でしたので、その話をしていられました。伝統的な手法を忘れて、一体に画壇が軽佻
浮薄に流れていけないというようなお話を、しきりにせられていました。 その時、「....
「草木の暗示から」より 著者:小川未明
うことに過ぎないからです。 正直と善良とがあれば、物静かな村の生活でも、虚偽と
浮薄が風をなす、物質的文明で飾られた大都会の生活よりは、遙に貴いと確信される如く....
「空晴れて」より 著者:小川未明
ぐっすりとすぐに眠りに陥ることができなかった。 「都会が、いたずらに華美であり、
浮薄であることを知らぬのでない。自分は、かつて都会をあこがれはしなかった。けれど....