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「浮袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浮袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
は私の顔色を見取ってか、急に不審気なおどおどした調子で答えた。 「いいえ、船尾の浮袋へ、差通されたように引っかかって、ロープで船に引かれるように水びたしになって....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
てやって下さい。間違いないようですよ」 やがて捕鯨船は、両の舷側に大きな獲物を浮袋のようにいくつも縛りつけて、悠々と引きあげて行った。 鯨群は、再び浮き上っ....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
な冷めたい海でも凌げる事を体験していたからね。それから船橋の前にブラ下げて在った浮袋を一個引っ抱えて上甲板へ馳け降りた。船尾から落ちた連中を救けて水舟に取付かせ....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
を大急ぎで口呑みして、これを飲みのこしては死んでも死にきれぬ、からになった瓢箪は浮袋になります、と五寸にも足りぬその小さいひさごを、しさいらしい顔つきで皆に見せ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
込んだかと思うと、暫くあって浮き上り、浮き上ると共に、あっぷあっぷと息をついて、浮袋にだきついて、きょろきょろと見廻し、巌が笑うような笑いを一つしてから、また浮....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
つくと、水夫は、真蒼になって顫え上った。 僕は、このまに船橋の柱に架けてあった浮袋を外して、それを身に着けた。何しろ、あと二、三分で、一千五百|噸の汽船が、爆....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
ら、僕は、かえって、なんだか悲しくなって来たぞ。」 やがて、博士の涙とともに、浮袋が投げられた。 「敵国の少年よ。最後まで勇敢なれ!」 『荒鷲』の乗組員は、波....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
錘《プロン》ってのを胸へさげるんだ。ところでだ。山へ登るにゃア、そんならば反対に浮袋《うき》をつけたらいいだろうてンだ。まず、おめえサン方は海へもぐる時と同じよ....