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浴客
「浴客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浴客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
らちょっと挨拶した。陽吉は黙って石鹸と流し札を桶の上に置いて湯槽の横手へ廻った。
浴客は皆で四人、学生らしいのが湯槽に漬っているだけで、あとはそれぞれ流し場でごし....
「蠅男」より 著者:海野十三
と伝えて下さい」 この場の唐突な乱闘に、プールから飛びあがって呆然としていた入
浴客は、ここに始めて、目の前の活劇が、いま全市を震駭させている稀代の怪魔蠅男の捕....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かぎりと触れ渡された。 二十七日。六時に起きて入浴。きょうも晴れつづいたので、
浴客はみな元気がよく、桂川の下流へ釣に行こうというのもあって、風呂場はすこぶる賑....
「温泉」より 著者:梶井基次郎
散り込んで来たし、溪の眺めも眺められたし、というのが古くからこの温泉を知っている
浴客のいつもの懐旧談であったが、多少牢門じみた感じながら、その溪へ出口のアーチの....
「東京要塞」より 著者:海野十三
場の流し場で、仲間同士らしい裸の客がわあわあ喋っているのを、盗み聞きしていた一|
浴客が、後にまたそれを他の者へ得々として喋っているところを御用となったものであっ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
泉場は、泊からわずか四五里の違いで、雪が二三尺も深いのでありまして、冬向は一切|
浴客はありませんで、野猪、狼、猿の類、鷺の進、雁九郎などと云う珍客に明け渡して、....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
も、人混の中へ消えたのである。 五 土地の風説に残り、ふとして、
浴客の耳に伝うる処は……これだけであろうと思う。 しかし、少し余談がある。とに....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ったように思われてくる。 或る日のことである。晩方早目に銭湯に出掛けて見ると、
浴客はただ一人ぎりで湯槽に浸っていた。ほどよく沸いた湯がなみなみと湛えられて、淡....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
むことはあるまい。いそいそとして、長風呂にはいり、退屈まぎれに、湯殿へやって来る
浴客を掴まえては、世間話、その話の序でには、どこそこでよく効く灸をやっている、日....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
れて、踏み板を越えて這入るのが習で、その前には柘榴口というものが立っているから、
浴客は柘榴口をくぐり、更に踏み板を越えて浴槽に入るのである。柘榴口には山水、花鳥....
「五色蟹」より 著者:岡本綺堂
る某官吏の細君であった。この人も混雑を嫌って、正午ごろに一度、夜なかに一度、他の
浴客の少ない時刻を見はからって入浴するのを例としていた。今夜はいつもよりも少しお....
「温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
来ることが出来るようになったのであるから、鉄道省その他の宣伝と相待って、そこらへ
浴客が続々吸収せらるるのも無理はない。それと同時に、
浴客の心持も旅館の設備なども....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
された。 二 二十七日。六時に起きて入浴。きょうも晴れつづいたので、
浴客はみな元気がよく、桂川の下流へ釣に行こうというのもあって、風呂場は頗る賑わっ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ブライトンビーチおよびサンドリンガムに至る。時すでに冬季にせまり、寒潮岸を洗い、
浴客あとを絶ち、埠頭寂寥たり。茶亭に一休し、温湯に一浴して帰る。海上は茫として、....
「小ざかな干物の味」より 著者:北大路魯山人
言ってよいほど干ものを添えて、自慢することを忘れていない。 ところが近頃では、
浴客の数に反比例して漁獲量が不足し、ときには場違いの魚類が加わるのみか、雨天など....