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海の幸
「海の幸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海の幸の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
へはいりかけたほんの二三分の感情だった。その後《ご》の彼はさざ波は勿論、あらゆる
海の幸《さち》を享楽した。茶屋の手すりに眺めていた海はどこか見知らぬ顔のように、....
「海異記」より 著者:泉鏡花
いたせいか、お浜は冷くなっていた。 こんな心弱いものに留守をさせて、良人が漁る
海の幸よ。 その夜はやがて、砂白く、崖蒼き、玲瓏たる江見の月に、奴が号外、悲し....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
徳。文化。デモクラシー。議会。選挙権。愛。師弟。ヨイコ。良心。学問。勉強と農耕。
海の幸。」 等である。 幕あく。 舞台しばらく空虚。 突然、荒い足音がして、「叱....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
搬して沿岸を環流しながら相錯雑する暖流寒流の賜物である。これらの海流はこのごとく
海の幸をもたらすと同時にまたわが国の気候に第二次的影響を及ぼして陸の幸をも支配す....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
い。四面に海をめぐらす大八州国に数千年住み着いた民族の遠い祖先からの数限りもない
海の幸いと海の禍いとの記憶でいろどられた無始無終の絵巻物である。そうしてこの荒海....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
っとも迷惑をせば、いたせ、娘の親が人間同士の間でさえ、自分ばかりは、思い懸けない
海の幸を、黄金の山ほど掴みましたに因って、他の人々の難渋ごときはいささか気にも留....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
。殊にオリーブ油で日本式の天麩羅にするといい。 日本は四方海に囲まれているから
海の幸は利用し尽している筈だが、たった一つフランスに負けていることがある。それは....
「乾杯」より 著者:豊島与志雄
して父の死後五十日目、突然、自宅でささやかな宴を催しました。 山の幸、野の幸、
海の幸と言えば大袈裟ですが、街頭に栄えた闇市場で普通に手に入る材料の、普通の料理....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
てそして、貧乏になって行くばかりだ。僕は神主なんてものは時代に合わんと思うね。『
海の幸をささげまつる』なんて、漁撈の事ひとつ言うのでも父のはこうした形なんだ」 ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
を非常に可愛がってくれる子守とに囲まれ、書物や絵や音楽が与えられ、晴れた日には「
海の幸」を思わせるように港に賑わう船を数え、また窓の下の少しばかりの草木や、鳥や....
「望郷」より 著者:服部之総
寒たる人事風物が点綴するのである。あとで聞いた話だが、かつてこの沿岸をにぎわした
海の幸、いわしもにしんも、昭和十三、四年いらいよりつかなくなって、漁師のせがれを....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
いたかの如く想像されやすいけれども、実際祖先以来の風習をそのまま保存して、山の幸
海の幸に生活し、殺生を悪事とせず、肉食を汚穢としなかった屠者とか、猟師とか、漁夫....
「来り人の地位と職業」より 著者:喜田貞吉
山の幸、
海の幸にのみ活きておった太古の状態から、次第に進んで世の中の秩序も整頓し、住人に....