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海老
「海老〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海老の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
《わめ》きながら、チョッキ一つの肥った体を、やにわに鉄棒へ抛りつけた。そうして「
海老上《えびあが》り」の両足を遠く空ざまに伸しながら、「二――」と再び喚いた時に....
「路上」より 著者:芥川竜之介
あるビヤホオルの看板を見つけて、
「おい、君、もう一杯ここでやって行こう。」と、
海老茶《えびちゃ》色をした入口の垂幕《たれまく》を、無造作《むぞうさ》に開いては....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
っき二人と入れちがいにはいって来た、着流しの肥った男と、芸者らしい女とが、これは
海老《えび》のフライか何かを突《つっ》ついてでもいるらしい。滑《なめら》かな上方....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
戦争のあった年、すなわち今より三十一年前、私がまだ三十三歳の壮年であったときに、
海老名《えびな》弾正《だんじょう》君司会のもとに、箱根山上、蘆の湖の畔《ほとり》....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
解決してしまった自分は、この数日来に無い、心安い熟睡を遂げた。頭を曲げ手足を縮め
海老のごとき状態に困臥しながら、なお気安く心地爽かに眠り得た。数日来の苦悩は跡形....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
かわり待合や、何かじゃ、僕の方が媒酌人だよ。」 「怪しからん。黒と白との、待て?
海老茶と緋縮緬の交換だな。いや、可い面の皮だ。ずらりと並べて選取りにお目に掛けま....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
っとほつれを解いたり、切れ目をつないだりしている。ある時は漁夫たちが、寒さに手を
海老のように赤くへし曲げながら、息せき切って配縄をたくし上げている。君は子供のよ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
人通りが少いなあ、どうじゃろう、景気の悪い。ちらりほらりで軒行燈に影が映る、――
海老屋の表は真暗だ。 ああ、揃って大時計の前へ立佇った……いや三階でちょっとお....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
だいくつも洗わない。おとよは思い出したように洗い始める。格好のよい肩に何かしらぬ
海老色の襷をかけ、白地の手拭を日よけにかぶった、顋のあたりの美しさ。美しい人の憂....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ながしらも堪るものではない――」 「――ええ、苦々しいやつかな――」 「――いり
海老のような顔をして、赤目張るの――」 「――さてさて憎いやつの――」 相当の....
「白い下地」より 著者:泉鏡花
むることは困難といい得る。さればこそ混濁された色が流行するようになって来た。かの
海老茶袴は、最もよくこれ等の弱点を曝露して居るものといわねばならぬ。 また同じ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
」 「おひや、ありますよ。」 「有りますか。」 「もう、二階ばかり上の高い処に、
海老屋の屋根の天水|桶の雪の遠見ってのがありました。」 「聞いても飛上りたいが、....
「幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
あった―― 「どんな御馳走だろうな。珍奇な物でも差支えない。豚のロースの葛掛や粉
海老の海参じゃあんまり平凡だ。乃公は是非とも彼等の食い物を『竜虎闘』にしたい。し....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
て、旭日の房総の山に掛るあり、南は玉川混々として清流の富峰の雪に映ずるあり、西は
海老取川を隔て云々、大層賞めて書いてある。 この境内の玉川尻に向った方に、葭簀....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
上方版のお伽稗子そのままなのが直ぐ知れる。 新吉原山口にて客幽霊を見し事 同角町
海老屋の女郎客の難に逢いし事 二つとも、ものあわれな譚だが、吉原の怪談といえば....