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海草
「海草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海草の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
ゆい干潟《ひがた》を右往左往《うおうざおう》に歩いている。浪は今彼の前へ一ふさの
海草を運んで来た。あの喇叭《らっぱ》に似ているのもやはり法螺貝《ほらがい》と云う....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
人かげは見えなかった。
僕はしばらく月の映《うつ》った池の上を眺めていた。池は
海草《かいそう》の流れているのを見ると、潮入《しおい》りになっているらしかった。....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
ままになっている。舵は浮嚢を縛りつけたロープで左寄り十度程の処へ固定され、緑色の
海草が、舵板の蝶番へ少しばかり絡みついていた。 東屋氏はロープの端の浮嚢を指差....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
ただよっている海水の中を、魚の群が元気よく泳ぎまわっている。こんぶやわかめなどの
海草の林が見え、岩の上にはなまこがはっている。いそぎんちゃくも、手をひろげている....
「海底都市」より 著者:海野十三
百十五度の方向へ、よたよたと歩いていった。 あたりは軟泥ばかりで、外《ほか》に
海草も何にもない。魚群さえみえない。――いや、魚はいないわけではない。ぐっと踏ん....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
ような気持になった。 海底国の入口 三人をのせて樽ロケットは海中をいく。
海草《かいそう》の林も七色の魚群もうしろに走り去って、あたりは急にうすぐらくなっ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
りもある。 四囲の岩壁は、青味をおびた黒色をしていて、そのうえに、苔《こけ》や
海草が生え、艇が水を動かすものだから、ゆらゆらと揺れる。 この洞穴は、向うへも....
「火星兵団」より 著者:海野十三
通ったときの、あのたまらないにおい――そのにおいを、もすこし上等にして、その中へ
海草のにおいをまぜると、いま千二がかいでいる異様なにおいに近いものになる。けれど....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
て砂山かけて遥かに見えた。 船は緑の岩の上に、浅き浅葱の浪を分け、おどろおどろ
海草の乱るるあたりは、黒き瀬を抜けても過ぎたが、首きり沈んだり、またぶくりと浮い....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ちこちにはじまるのである。 が、次第に引潮が早くなって、――やっと柵にかかった
海草のように、土方の手に引摺られた古股引を、はずすまじとて、媼さんが曲った腰をむ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ったが、水の上は磯ばたの砂の色とおなじように薄暗くにごって来た。沃度を採るために
海草を焚く白い煙りが海の方へ低くなびいていた。 僕はだんだんに暗くなっていく海....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
にいさまたちのところへつれて行ってもらえるような気がするわ。」 うちよせられた
海草の上に、白いはくちょうの羽根が十一枚のこっていました。それをエリーザは花たば....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
慌しく一文字に駈けて、こなたが近いた時、どうしたのか、脱ぎ捨てた袴、着物、脚絆、
海草の乾びた状の、あらゆる記念と一緒に、太鼓も泥草鞋も一まとめに引かかえて、大き....
「古事記」より 著者:太安万侶
底に入つて、底の埴土《はにつち》を咋《く》わえ出て澤山の神聖なお皿を作つて、また
海草の幹《みき》を刈り取つて來て燧臼《ひうちうす》と燧杵《ひうちきね》を作つて、....
「赤い蝋燭と人魚」より 著者:小川未明
書いて見るがいいと答えました。 娘は、赤い絵具で、白い蝋燭に、魚や、貝や、また
海草のようなものを産れつき誰にも習ったのでないが上手に描きました。お爺さんは、そ....