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海豹
「海豹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海豹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒の追憶」より 著者:太宰治
時の記憶がイヤに鮮明である。その頃、私は二十五歳であったと思うが、古谷君たちの「
海豹」という同人雑誌に参加し、古谷君の宅がその雑誌の事務所という事になっていたの....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
かいう逸話以外に、彼はまたさまざまな冒険譚《ぼうけんだん》の主人公であった。まだ
海豹島《かいひょうとう》へ行って膃肭臍《おっとせい》は打っていないようであるが、....
「中味と形式」より 著者:夏目漱石
《うま》く行かないからはなはだ御気の毒です。ただいまは高原君が樺太旅行談つけたり
海豹島《かいひょうとう》などの話をされましたが実地の見聞談で誠に有益でもあり、か....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
とさせたに相違なかったのである。
しかし、室内を一巡して、ようやく水牛の角と
海豹の附いた北方海賊風の兜の前まで来ると、彼は側の壁面にある、不釣合な空間に注い....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
臭気に、鼻を覆うていたのが折竹孫七。 「これが、今度入りました新荷でがして」と、
海豹使いのヒューリングがしきりと喋っている。なかには、
海豹、海驢、緑
海豹など十匹....
「十五年間」より 著者:太宰治
説で、その翌月から「思い出」という百枚の小説を三回にわけて発表した。いずれも、「
海豹」という同人雑誌に発表したのである。昭和八年である。私が弘前の高等学校を卒業....
「黒猫」より 著者:島木健作
しまった感じを受けた。殆ど精神的な感動とさえいってよかった。 同じ記事のなかに
海豹島のオットセイの話も出ていて、これは大山猫とは全然正反対な、生めよ殖せよの極....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
につき込んで、息がつまるまで水につけておいた。そして顔を充血さし、眼をむき出し、
海豹《あざらし》のように息を吐きながら、水から顔を出すと、身体にしたたる水を拭《....
「映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
深いものである。そこいらの漁師の神さんが鮪を料理するよりも鮮やかな手ぶりで一匹の
海豹を解きほごすのであるが、その場面の中でこの動物の皮下に蓄積された真白な脂肪の....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のがそもそも始まりであった。 この話はその航海が終わるまでつづいた。そうして、
海豹漁猟開始期の暗い夜など、水夫らに輪番をさせるには非常に骨が折れたのであった。....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
てである。北風独特の軋るような呻き声は、いまから二十数年前、氷と海霧にとざされた
海豹島で遭遇したある出来事を思い出させる。子供たちはとっくに寝床にゆき、広すぎる....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
、あるいは忙しげにそのあいだを歩きまわっている。 三百人もいようか。 まるで
海豹《あざらし》の大軍が、乗るべき潮流を待って北海の浜にひなたぼっこをしているよ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
のを宵の口にして、あけ方の三時四時まで続くんでしょう。雑魚寝の女護の島で、宿酔の
海豹が恍惚と薄目を開けると、友染を着た鴎のような舞子が二三羽ひらひらと舞込んで、....
「月と海豹」より 著者:小川未明
ど死んだ魚の眼のようにどんよりと曇って、毎日雪が降っていました。 一|疋の親の
海豹が、氷山のいただきにうずくまって、ぼんやりとあたりを見まわしていました。その....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ち上って、そのまま甲板へ出たと思うと、 「おおい、おおい。」 おおい、おおいと、
海豹も 海のなかから呼んでます。 どうせ、薄雲、北の海、 おおいおおいで日が暮れ....