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海防
「海防〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
海防の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
話をする通り、嘉永六年の黒船渡来から、世の中はだんだんに騒がしくなって、幕府でも
海防ということに注意する。なんどき外国と戦争を始めるかも知れないというので、江戸....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
崎にはいったことの報知も伝わっている。品川沖には御台場が築かれて、多くの人の心に
海防の念をよび起こしたとも聞く。外国|御用掛の交代に、江戸城を中心にした交易大評....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
して、まず全国諸大名が参覲交代制度廃止の英断に出たのもこの人だ。禁裡守衛総督|摂
海防禦指揮の重職にあって、公武一和を念とし、時代の趨勢をも見る目を持ったこの人は....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
、少々呆気にとられている僕の手をとって、大急ぎで帰った。 五 フランスの船は、
海防《ハイフォン》とか西貢《サイゴン》とかの、仏領交趾支那の港に寄る。そして、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を取られてしまうという心配の愚なことを解釈し、日本国中の学者先生がたいがい残らず
海防策というものを書いて、頭から外国人を盗人に見てかかるの陋《ろう》を笑い、最後....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
軍隊も西洋式の訓練をしなくてはならぬとの意見が方々に起った。私の藩は先々代が彼の
海防に留意された桑名楽翁公の甥であったので、大分開けていた。『うえぼうそう』の如....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
たとは、さてさて浮世は油断がならぬ。日進月歩恐ろしいことじゃ。今日より奢侈を禁じ
海防のために尽くすであろう。それに致しても江戸から長崎、長い道程を大鵬を追い、つ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
に逢うため、立上った。
「封襲した上は、近々、帰国せずばなるまい。帰国の上は、
海防のことも、心のままにならずと、心痛しておったが、貴殿の御意見を聞いて、大いに....
「野萩」より 著者:久生十蘭
仏印へ発ったんですってよ。芦田とかいう参謀が、電話でしらせてよこしたの。引揚船が
海防《ハイフォン》に寄ったとき、司令部にいる友達と約束ができていたような話だった....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
トの方が引っ立って見えるということや、東亜同文書院を僕達一行が訪問し、その帰途、
海防路迄来ると、そこで支那労働者達が道端へ集り、坐り込み、何かやっているので覗い....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
、十五万の客貨車、五千の自動車を、連合軍に引渡し、潜水艦の全部、装甲巡洋艦六隻、
海防艦十隻、小巡洋艦八隻、新式駆逐艦五十隻の破壊。その他の軍艦と商船全部の連合軍....
「孟母断機」より 著者:上村松園
連想するを常としている。 嘉永六年アメリカの黒船が日本に来て以来、息軒先生は「
海防私議」一巻を著わされ、軍艦の製造、海辺の築堡、糧食の保蓄などについて大いに論....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
絵は全く今日《こんにち》の新聞紙に等しき任務を帯びぬ。黒船渡来と浦賀《うらが》の
海防|並《ならび》に異人《いじん》上陸接待の状《じょう》を描ける三枚絵は髷《まげ....
「尊攘戦略史」より 著者:服部之総
を約束し、他方英国にたいしては横浜の守備を一手に引受けると宣言してさらに上海から
海防艦と、アフリカ兵二百五十名を呼寄せた。そして辛うじて償金が支払われることにな....
「島津斉彬公」より 著者:中谷宇吉郎
ある。大砲だけでは戦争は出来ないので、地雷《じらい》水雷製造所もつくった。水雷は
海防のため鹿児島湾内に伏せ、地雷は鉱山発掘のために使われた。 最大の事業は、蒸....