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浸む
「浸む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浸むの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
包み、蔽い、裙を包んだのも面白い。あくる日、雪になろうとてか、夜嵐の、じんと身に
浸むのも、木曾川の瀬の凄いのも、ものの数ともせず、酒の血と、獣の皮とで、ほかほか....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
を頭から引被った。 「看病をいたしますよ。」 お澄は、胸白く、下じめの他に血が
浸む。……繻子の帯がするすると鳴った。 大正十二(一九二三)年一月....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
潮して、はじめ志した方へ幽ながら見えて来た。灯前の木の葉は白く、陰なる朱葉の色も
浸む。 かくして辿りついた薄暗い饂飩屋であった。 何しろ薄暗い。……赤黒くど....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
した。私は雪に埋れて行く……身動きも出来ません。くいしばっても、閉じても、目口に
浸む粉雪を、しかし紫陽花の青い花片を吸うように思いました。 ――「菖蒲が咲きま....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
たかと思ふように、糸瓜の葉が一枚二枚だけひらひらと動く。その度に秋の涼しさは膚に
浸む様に思うて何ともいえぬよい心持であった。何だか苦痛極って暫く病気を感じないよ....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ああ。あいよ。(興奮しつつ、びりびりと傘を破く。ために、疵つき、指さき腕など血汐
浸む――取直す)――畜生――畜生――畜生――畜生―― 人形使 ううむ、(幽に呻く....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ではないか、どうじゃ汝たちにも面白いか、老僧には大層面白いが、と軽く云われて深く
浸む、譬喩方便も御胸の中にもたるる真実から。源太十兵衛二人とも顔見合わせて茫然た....
「三国志」より 著者:吉川英治
してきた。一進一退。数日は小競り合いに過ぎた。 ところが、日の経つに従って水の
浸むように、いつの間にか、蜀軍は増大していた。反対に、魏軍は、敵の奇襲戦略に、昼....