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「浸染〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浸染の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
がりゅっとした服装の伊太公、フローは、まだ若くガルボ的な顔だち。しかし、駆黴剤の浸染はかくし了せぬ素姓をいう……、いまこの暗黒街を統べる大|顔役二人が、折竹にな....
」より 著者:島崎藤村
、自分の病気はここに在ると言う。人差指には小さい穴が二つ開いている。痛そうに血が浸染んでいる。医者が来て、その穴へU字形の針金を填めると、そんな酷いことをしてど....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
くなって、鼻の先に突っ立っている、雨と知りながらも、手を天幕の外へ出すと、壁から浸染み出る小雨に、五本の指が冷やりとする、眼がやっと醒める。 ゆうべは月がちょ....
新婦人協会の請願運動」より 著者:与謝野晶子
め、我国の婦人運動の先駆者たちが、一生涯純粋な恋愛にも触発されず、高雅な芸術にも浸染されない欧米の不幸な女権主義の独身婦人や基督教婦人の偏狭な心持から出た言動に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 と田山白雲は、さのみ月光に執着を持っておりませんでした。それは月光そのものに浸染せんがためにうらぶれ出でたのではなく、かくうらぶれ出でたに就いては、別に何か....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
も、歯がないせいか、顔が奇妙な提灯のような伸縮をして、なんとも云えぬ斑点のような浸染のようなもので埋まっている。 それは、駆黴に使った水銀のせいとも云えるが、....