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浸水
「浸水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
浸水の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
事があるて……。落ち目になったら最後、人間は浮き上がるがめんどうになる。船でもが
浸水し始めたら埒《らち》はあかんからな。……したが、おれはまだもう一反《ひとそ》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ない黒い石ころのようにしか見えない。漁夫たちは艪をこぎながら、帆綱を整えながら、
浸水をくみ出しながら、その黒い石ころと、模範船の艫から一字を引いて怪火のように流....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
られたことじゃろう。 ◯本日地下物置のものをすっかり出して乾す。昨日の嵐に、大分
浸水したからである。これもアメリカのお蔭かと、憤慨しながら力を出す。 七月二十....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
、潮流も激しく、荒れ果てていて到底近寄ることは出来なかった。 小船の北海丸は、
浸水が早く沈没は急激だった。海難救助協会の救難船が、現場に馳せつけた頃には、もう....
「恐竜島」より 著者:海野十三
やく恐竜にくわれるだけは助かった。というのは、船体はさけてがたがたになっている。
浸水《しんすい》がひどくて、手のつけようもない。それから三十分ばかりのうちに沈ん....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
れがすなわち、さっき話をしたように……」 と、博士の説明が始まったが、轟々たる
浸水の音がとかく邪魔をしていけない。博士はそれにお構いなく喋りつづける。 一応....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
んとんと走って、階段口から、下におりていった。 幸いなことに、三番船艙は、まだ
浸水をまぬかれていた。 扉を、鍵であけた。 扉は開いた。大きな布カバーを取り....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
ましたので途中からでありますが、こんなことを打ってきました。“――船底ガ大破シ、
浸水ハナハダシ。沈没マデ後数十分ノ余裕シカナシ。至急救助ヲ乞ウ”というのです」 ....
「物理学の応用について」より 著者:寺田寅彦
る。各種の網糸の強弱弾性やその温度湿度によっての変化とか、網に付ける浮標の浮力、
浸水の度やその耐圧度とか、あるいは網面に当る潮流の抵抗の研究とか、いずれも物理学....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
突入しているという急報に接して、わたしは下腹部へ飛んで降りて見ると、もう何もかも
浸水している上に、船の動揺のたびごとに海水は滝のように流れ込んでくるので、窓全体....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
あったものを埋め立てて田としたのであるから、傍を流れる綾瀬川が増水するとたちまち
浸水し、せっかくの最上餅も、三流以下の品に落ちてしまう。 それゆえ、この土地に....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
まわるに、何時の間にか海水は浸入して、余の全身は濡鼠のごとくなりいたり、船底より
浸水せしものか、それとも、甲板の昇降口より波打込みしものか分らねど、何しろこの海....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
、水が船室にはいったよ」 「ほんとうか」 富士男はおどろいて階段をおりた。もし
浸水がほんとうなら、この船の運命は五分間でおわるのである。 船室のまんなかの柱....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
請求されたらどうしようかとその善後策を講ずるために、佃島の砂の上にボオトを引上げ
浸水をかい出しながら相談をした。その結果夜暗くなってから船宿の桟橋へ船を着け、宿....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
彼はやがて、市中の各所に騒ぎの起るのをみた。そして 「洪水だ! 洪水だ! 」 「
浸水!
浸水! 」 「助けてくれ! 」 「家が流れる! 」 という叫びを聞いた....