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「浸透〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

浸透の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
らの極めて大きな圧力に耐えるように、そして熱線を完全に防ぎ、それから放射性物質の浸透を或る程度食いとめるように設計されてある、つまり結局、原子爆弾の恐るべき破壊....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
間に挾み、右手に、神意審問会が行われた室と続いていた。しかし、そこには薬室特有の浸透的な異臭が漂っているのみで、そこの床には、証明しようのないスリッパの跡が縦横....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
意味は、それによってプロレタリアの党(共産党)の影響を深く工場の労働者大衆の中に浸透させ、やがては党を工場の基礎の上に建設する目的をもっていた。河田の努力の本当....
惜別」より 著者:太宰治
に対する執着力の旺盛な紅毛人たちの間に於いて異常の進歩をとげ、東洋の精神界にまで浸透して来た。日本はいち早く科学の暴力を察して、進んで之を学び取り、以て自国を防....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
なわち仏教伝来以後今日まで日本国民の間に浸潤した無常観が自然の勢いで俳句の中にも浸透したからである。しかし自分の見るところでは、これは偶然のことであって決して俳....
地球要塞」より 著者:海野十三
ば、X大使は、必ずわが本土に近づきたるべし。わが本土に近づけば、未完成のベトンを浸透して、国内に侵入し、わが要塞建設を察知すべく、よって直ちに金星へ通信し、金星....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
りびり震動する周囲の壁を見廻した。 「どうも今日の爆撃は変だね。いやに地底ふかく浸透するじゃないか。おい君、対空本部へ電話をかけて事情を聞いてみよ」 議長は私....
科学論」より 著者:戸坂潤
弁証法の規定は、質の量への転化とその逆、対立物の統一、否定の否定、対立物の相互浸透、等々として挙げられるのを常とする。今はこの一々の規定に沿うて範疇を吟味して....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
気で、そこらに鯰でも湧出しそうな、泥水の中へ引摺込まれそうな気がしたんで、骨まで浸透るほど慄然々々するんだ。」 と肩を細うして、背で呼吸をする。 「男らしくも....
映画の普及力とは」より 著者:伊丹万作
疑問としておきたいが、残念ながら現在のところでは映画の普及率は新聞雑誌やラジオの浸透性には及びもつかないのだという簡単な事実に今さら私は眼を見張つているのである....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
しかし、同時に我々は映画の間口の広さを忘れることはできないし、その能力の多様性、浸透性を無視することもできない。 我々は、我々の芸術良心に従い、かつ十分それを....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
市民生活のひとつの基盤となったと同時に、文学のあらゆる様式のなかに自然に混入し、浸透し、ついに、十九世紀に至り、散文の独立、純化の運動によって、そのことが厳しく....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
唯夢にのみ見るを得るもの、またわれわれを取囲む醒めた現実、それ等は凡て彼の心中に浸透して後、初めてその美を得来ったのだ。 アントオニオ 丈高く美しい人には歌謡の....
クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
までもなく、各種文化領域を一貫し、而も夫々の領域の世界像世界観や更に手法にまでも浸透するようなクリティシズムは、一つの理想にしか過ぎない。だが之がクリティシズム....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
余り南の猪之頭で再び湧出する。村の北にある十丈近い大瀑も、落ちると間もなく地下に浸透しているのには驚いた。猪之頭はつまり井の頭で、井出と同様に水の湧き出している....