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消
「消〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
雑沓《ざっとう》した仲店《なかみせ》を見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは
消え失せない。門の前に飛びかう無数の鳩《はと》。
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....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
げりゅう》とかの仮名《かな》も上手だという。それも皆若槻のおかげなんだ。そういう
消息を知っている僕は、君たちさえ笑止《しょうし》に思う以上、呆《あき》れ返らざる....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
探って、五畿内《ごきない》から東海道をほとんど隈《くま》なく遍歴した。が、兵衛の
消息は、杳《よう》として再び聞えなかった。
寛文《かんぶん》九年の秋、一行は落....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
が、障子にさしている日影も忘れたように、あるいは書見に耽《ふけ》ったり、あるいは
消息を認《したた》めたりしている。その六人が六人とも、五十歳以上の老人ばかり揃っ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
円な光に照らして見ました。すると果して紙切れの上には、妙子が書いたのに違いない、
消えそうな鉛筆の跡があります。 「遠藤サン。コノ家ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス....
「狂女」より 著者:秋田滋
悲しい夢ばかり見つづけていたのだろうか。それともまた、思想というものが跡形もなく
消え失せてしまって、流れぬ水のように、一ところに澱んだままになっていたのだろうか....
「墓」より 著者:秋田滋
と、その声はあなたに幸福の波を浴びせるのです。 ところで、そのひとが一朝にして
消え失せてしまうのです。ああ、考えてもみて下さい。そのひとはただあなたの前から
消....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ていない。かえってこの手記は人生のささやかな悲惨事の緩慢な連続、希望というものの
消え失せてしまった孤独な生活の最後に襲って来る瓦解をよく語っている。この手記は鋭....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
鐘の響くを欄干に背を倚せてかぞうれば十二時なり。これより行人稀となりて両岸の火も
消え漕ぎ去る船の波も平らに月の光り水にも空にも満ちて川風に音ある時となりて清涼の....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たと思っておったが、これは誤りで、智識は高くなっても、やはり人間の弱点や利己心は
消えぬものだということを悟りました」と答えた。 科学上の発見の話が出ると、すぐ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
幾度も洟をかみ、眼を拭いて、こう云うのだった。 「私は理由は云わずに、婚約を取
消してしまいました。そして、私は――私は今日までずッと、十三歳のその少年の寡婦を....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
行のような生活をしていたので、彼はまた歩く新聞のようなものでもあり、あちこちの噂
消息をあつめて家から家へと持ちあるいた。だから、彼が来ることはいつでも歓迎された....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
仮にいま二十万人のひとを殺させたとする。すると、国家は戸籍簿からそれらの人の名を
消し、書記の手で除いてしまう。ただそれだけのことだ。ところが、われわれ、役場の書....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
燃え上った十年、作家生活の火華は火華を産ンで、花火線香の最後に落ちる玉となって
消えた夢野久作、その火華は、今十巻の全集となって、世に出ようとしている。 久作....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
り出て来ました。それを見て、多助も太郎右衛門も吃驚してしまいました。 「何んて魂
消た話しだ!」と多助は青い顔をして太郎右衛門を見ると、太郎右衛門は今までこんな大....