消し炭[語句情報] » 消し炭

「消し炭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

消し炭の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の又三郎」より 著者:宮沢賢治
しまうと、三郎のほうをちょっと見ました。 すると三郎は、どこから出したか小さな消し炭で雑記帳の上へがりがりと大きく運算していたのです。 次の朝、空はよく晴れ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ふうちゃん。煙草の火はねえかえ」 お冬は気がついたように立ち上がって、煙草盆に消し炭の火を入れて来ると、源蔵は腰から筒ざしの煙草入れを取り出して、一服|喫《す....
新世帯」より 著者:徳田秋声
は火が消えて、鉄瓶が冷たくなっている。 お作は妙におどついて、にわかに台所から消し炭を持って来て、星のような炭団の火を拾いあげては、折々新吉の顔色を候っていた....
足迹」より 著者:徳田秋声
て晩方帰って来ると、こそこそと家へ上って、火鉢の傍に坐り込んだ。傍にお庄兄弟が、消し炭の火を吹きながら玉蜀黍を炙っていた。六つになる弟と四つになる妹とが、附け焼....
グスコーブドリの伝記」より 著者:宮沢賢治
そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの木の幹に、赤い粘土や消し炭で、木の名を書いてあるいたり、高く歌ったりしました。 ホップのつるが、両....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
も焼いてしまえば結局炭と若干の灰分とになってしまうのだから、黒焼きがきくものなら消し炭を食ってもきくわけだ、とざっとこういうふうに簡単に結論を下してしまう。 ....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
うひゅう風がうなっている。 「寒いなあ」と千三は思わずいった。 「お待ちよ。いま消し炭を持ってくるから」 母は麻糸をかたよせてたとうとした。 「おや」 母は....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
までは読めましたが、後は確と分りませぬ。これは古今集の恋歌でございますが、筆蹟は消し炭で書いたのですから確と分りませぬ。 文「全くお町の成れの果ではないか知ら....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
て、彼がこの間うちから心待ちにしていた消息があった。 人目につかぬ石塀の隅へ、消し炭で書いてあった文字である。それは、法月弦之丞が、自分へ意思を伝えようとした....