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消ゆ
「消ゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消ゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
無明《むみょう》の闇も異《ことな》らね、
ただ煩悩《ぼんのう》の火と燃えて、
消ゆるばかりぞ命なる。
下
夜、袈裟《けさ》が帳台《ちょう....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
の如くうすくなりて、淡薄《たんぱく》たる秋花《あきはな》の木《こ》の間《ま》に、
消ゆるともなく消え去り了《おわ》んぬ。われ、即ち※惶《そうこう》として伴天連《ば....
「春昼」より 著者:泉鏡花
金色を帯びた一条の線があって、赫燿として眼を射て、流のふちなる草に飛んだが、火の
消ゆるが如くやがて失せた。 赤楝蛇が、菜種の中を輝いて通ったのである。 悚然....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
其方を凝視す。) 侍女五 きゃっ。(叫ぶ。隙なし。その姿、窓の外へ裳を引いて颯と
消ゆ)ああれえ。 侍女等、口々に、あれ、あれ、鮫が、鮫が、入道鮫が、と立乱れ騒ぎ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
ッと雨戸を閉める。閉め果てると、戸の鍵がガチリと下りる。やがて、納戸の燈、はっと
消ゆ。 ※出る化ものの数々は、一ツ目、見越、河太郎、獺に、海坊主、天守におさかべ....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
だ、勝手になれ。(怪しき声にて呪す。一と三の烏、同時に跪いて天を拝す。風一陣、灯
消ゆ。舞台一時暗黒。) はじめ、月なし、この時薄月出づ。舞台|明くなりて、貴夫人....
「湯島の境内」より 著者:泉鏡花
の言葉が嘘でなければ、言わずとも分るだろう。そのお方のいいつけなんだ。 お蔦 (
消ゆるがごとく崩折れる)ええ、それじゃ、貴方の心でなく、別れろ、とおっしゃるのは....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
るる長い時間のあるを知るか。石と樹と相打って、火をほとばしらすも瞬く間、またその
消ゆるも瞬く間、銃丸の人を貫くも瞬く間だ。 すべて一たびただ一|人の瞬きする間....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
かり頸脚の白く透通る、黒髪のうしろ向きに、ずり落ちた褄を薄く引き、ほとんど白脛に
消ゆるに近い薄紅の蹴出しを、ただなよなよと捌きながら、堂の縁の三方を、そのうしろ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
然として残存する。故意に犯せる罪悪の流れは、どこまで行っても、因果の筋道を辿りて
消ゆることがない。これは悲哀と恥辱とを以て償わねばならない。 これと同様に、善....
「作画について」より 著者:上村松園
月が経っていますが、今でも眼を閉じると、そんな母の姿がありありと私の網膜に映じて
消ゆることがありません。 私の第四回文展出品作「夕暮」は、徳川期の美女に託して....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
枕に沈める横顔の、あわれに、貴く、うつくしく、気だかく、清き芙蓉の花片、香の煙に
消ゆよとばかり、亡き母上のおもかげをば、まのあたり見る心地しつ。いまはハヤ何をか....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
おとせをまた抱きしめて、女房過分な、こうなる身にも、露の影とは、そなたの卑下よ、
消ゆるわれらに永劫未来、たった一つの光はそなた。さらば最期ぞ、覚悟はよいか、いえ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
)いぼの呪術 雷の鳴るとき外に出て、みごぼうきをもて三遍はきおとすまねをすれば
消ゆるという。また、精霊祭りに用いたるみそはぎをたくわえおきて、それにてなでたる....
「活人形」より 著者:泉鏡花
に、「赤城様、得三様。」いうかと思えば姿は亡し。すでに幕の後へ飛込みたるその早さ
消ゆるに似たり。 かれもこれも一瞬時、得三は眼血走り、髪逆立ちて駈込つ、猶予う....