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消化器
「消化器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消化器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
った。当人はまた母の遺伝で体質から来るんだから仕方がないと弁解していた。そうして
消化器病の書物などをひっくり返して、アトニーとか下垂性《かすいせい》とかトーヌス....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
らの手紙でありました。 嫂の屍体は、入念に法医学教室で解剖に付せられましたが、
消化器と循環器との系統のものは、どんな微細な点までも、剖検されたのです。 「お嬢....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
かけますが、貴方は生物学と外科とにすぐれた頭脳と腕とで、蟒の腹腔に穴をあけ、その
消化器官の液汁を、丹念に採集したのです。それは周到なる注意で今日まで貯蔵されてい....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
かび上がって来た。 あの哀れな山男は、おそらくあれから一、二年とはたたない間に
消化器の潰瘍にかかってみじめな最期を遂げたに違いない。言わば、生きるためにガラス....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
する不満、そういう感情の叙述と胃の痛みの記事とが交錯して出てくる。 しかしこの
消化器病のほかに亮を悩ましていた原因もいろいろないではなかった。それは、第一には....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
るような感想を持ち合わさない。ただもししいて何か感じた事を述べよとならば、それは
消化器の弱い自分にとって今夜の食卓に出されたパンが恐るべきかたいパンであったとい....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
おいの追憶 鼻は口の上に建てられた門衛小屋のようなものである。命の親のだいじな
消化器の中へ侵入しようとするものを一々戸口で点検し、そうして少しでもうさん臭いも....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
。 年をとったら歯が抜けて堅いものが食えなくなるので、それでちょうどよいように
消化器のほうも年を取っているのかもしれない。そう考えるとあまり完全な義歯を造るの....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
一つの事実を、云い表わすための言葉だ。夫は文化の神経組織であり骨格であり、文化の
消化器官と生殖器官だ。もし文化に独自の生命力というものがあり、それが文化の価値と....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
に圧し附けた。 精霊はその下にへちゃへちゃと倒れた。その結果、精霊はその全身を
消化器の中に包まれてしまった。が、スクルージは全身の力を籠めてそれを抑え附けてい....
「足」より 著者:豊島与志雄
せ細った、病身らしい男で、長い首に喉仏が高く出ていた。浅黒い顔の色艶は、呼吸器か
消化器かが悪い者のようで、眼の光が疲れて、黝ずんでいた。 彼は私の顔を時々偸み....
「教育映画について」より 著者:寺田寅彦
も現象の科学的な要点に触れていなかった。また例えば子供の誤って呑込んだおはじきが
消化器系を通過する径路を示すのを見たが、これなどでも
消化器というものの本質には少....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
その室の中の第三の室には、夕食の食卓に二人前の用意がしてあった。そこは、その館の
消化器のような恰好★をした四つの塔の一つの中にある、円形の室であった。小さな、天....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
。いろりを囲んで今日診た患者の病状の検討をする。もうすでに重篤な放射線障害がまず
消化器にあらわれたように思われる。口の周囲に膿泡疹ができ、口内炎を起こしてきた患....
「落日の光景」より 著者:外村繁
日来、私は微熱が取れず、御茶ノ水の病院で、内科の精密検査を受けた。その結果、私の
消化器管は健全であることが判った。殊に私の肝臓は、酒飲みにも似ず、至って丈夫であ....