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「消沈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

消沈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
》の睡眠不足も手伝って、一行の足の重きこと夥《おびただ》しく、些《いささ》か意気消沈の気味にも見えるので、こんな事ではいかん、反対療法に如《し》くは無しと、その....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
めやに》が一杯たまっている。ことに著るしく吾輩の注意を惹《ひ》いたのは彼の元気の消沈とその体格の悪くなった事である。吾輩が例の茶園《ちゃえん》で彼に逢った最後の....
三四郎」より 著者:夏目漱石
たからのことと思っていたが、座について見ると、悪いのは顔色ばかりではない。珍しく消沈している。三四郎が「ぐあいでもよくないのか」と尋ねると、与次郎は鹿《しか》の....
古き小画」より 著者:宮本百合子
時、スーラーブは、時を構わず、馬に鞭をくれ、山野を駆け廻った。彼を、致命的な意気消沈から救うのは、僅に一つの反抗心があるばかりであった。 「よろしい。母に自分を....
」より 著者:豊島与志雄
。 平素は大抵彼は黙々として元気がないのである。不機嫌そうに顔をしかめて、意気消沈したもののようである。 実際彼は不機嫌で力がなく蒼ざめている。それでなお屡....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
えてはまたやり直した。よく眠った。日々が過ぎていった……。 それらのひどい意気消沈の合い間合い間には、子供らしい嘲笑《ちょうしょう》的な快活さが起こってきた。....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
やかな連中を乗せてそばを通りすぎてゆく楽しい馬車の響きとほこりとに脅かされ、意気消沈して、頭をはっきりさせるために途上の胡桃《くるみ》の木立ちのかおりを胸深く吸....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
という招待であった。 終戦二年目の八月といえば、日本カイビャク以来これほど意気消沈していたことは例がない。と云うのは、その年の七月に、料理飲食店禁止令というも....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
ないという性質だった。所が、この二三月はそんなに目立つ程ではないが、何となく意気消沈したような所があり、鳥渡した物音にもギクッとしたり、講義中に詰らない間違いを....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
し、あたかも凱旋将軍の如くでますます飼主に重んぜられる。これに反し敗れた鶏は意気消沈して、一時に肉が落ち味も劣ってしまう。それゆえ鶏が闘って敗れればそれはもう中....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
宅に来ていたので手伝い、また俵光石氏も手伝いました。 娘のことで、ほとんど意気消沈しておりましたのが、この仕事で大いに勇気附けられ、また紛れました。 それか....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
が仄見えておる。 全く自ら筆を操る事が出来なくなってからの口授作にも少しも意気消沈した痕が見えないで相変らずの博引旁証をして気焔を揚げておる。馬琴の衒学癖は病....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
督に付与すべき権限につき猛烈に論争した。エセックスの高揚した意気は徐々に、憂鬱に消沈し始めた。悔恨が胸を打ってきた。未来は真っ暗であり、困難だらけであろう。自分....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
としては、必ずや通ずる道は備わっておるのでありますから、気持ちとしては決して萎靡消沈せず、一歩一歩希望を以て踏み出して行くべきであります。 差別と平等の理につ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
病院に通っていたが、とうとう寝込んでしまった。金はなし、女房に寝込まれ、私は意気消沈、地道いっぽうの仕事にもあき、まぐさ屋もわずか数ヵ月で廃業である。時代は明治....