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消滅
「消滅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消滅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
《いす》を埋め尽した無数の人々に対する恐怖を。が、恐怖は幸いにも二三度通ううちに
消滅した。彼は忽《たちま》ち閲覧室に、鉄の階段に、カタロオグの箱に、地下の食堂に....
「河童」より 著者:芥川竜之介
学者のマッグも言っているでしょう。『汝《なんじ》の悪は汝自ら言え。悪はおのずから
消滅すべし。』……しかもわたしは利益のほかにも愛国心に燃え立っていたのですからね....
「少年」より 著者:芥川竜之介
した二すじの線を見まもった。同時に大沙漠の空想などは蜃気楼《しんきろう》のように
消滅した。今はただ泥だらけの荷車が一台、寂しい彼の心の中《うち》におのずから車輪....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
を置き換えるのは全共和制度の※《うそ》である。この※だけはソヴィエットの治下にも
消滅せぬものと思わなければならぬ。
又
一体になった二つの観念を採り....
「片信」より 著者:有島武郎
で自分をし向けていくことは不可能といって差し支えない。しかも僕はブルジョアは必ず
消滅して、プロレタリアの生活、したがって文化が新たに起こらねばならぬと考えている....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
お礼をするつもりでいます。ただし、いったんこの土地を共有した以上は、かかる差別は
消滅して、ともに平等の立場に立つのだということを覚悟してもらわねばなりません。
....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
相違ない。それでこのせっかく強制的に行われた真理の発揚もこの賢王の死後跡方もなく
消滅してしまった。しかしてその王婿アイ(Ai)は『余は余の軽侮する神々の前に膝を....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
大智識さ五十年の香染の袈裟より利益があっての、その、嫁菜の縮緬の裡で、幽霊はもう
消滅だ。」 「幽霊も大袈裟だがよ、悪く、蜻蛉に祟られると、瘧を病むというから可恐....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
爪から抜ける。その時分には、もう芥子粒だけもないのです、お綾さんの爪にも堪らず、
消滅する。 トはっと気を返して、恍惚目を開く。夢が覚めたように、起上って、取乱....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
して、まとまりがつかないものになった。 『が、しばらく過ぎると、そんな必要は漸く
消滅した。文字は一層小さくなったが同時に一層規則正しく、又綺麗になった。私はいつ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
とすると将来幾多の新|端緒を尋ね出すかもしれない。しかしその時にはもう阿Q正伝は
消滅しているかもしれない。 阿Qは姓名も原籍も少々あいまいであった。のみならず....
「端午節」より 著者:井上紅梅
生団体の新に起した許多の事業は、すでに弊害を免れ難く、その大半は線香花火のように
消滅したではないか。全く大差無しである。ただし中国将来の考慮すべき事はすなわちこ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
は柳屋ではなく、かえってその不祥の兆に神経を悩まして、もの狂わしく、井戸端で火難
消滅の水垢離を取って、裸体のまま表通まで駆け出すこともあった、天理教信心の婆々の....
「妖怪談」より 著者:井上円了
れ出でます。すなわち、このかすかなる妄覚は、真実の強き刺激には耐え得られずして、
消滅し去るものであります。なんによらず、静かなるときはかすかなる力も大なるがごと....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
る日本の困難は皆この道義心|微かなる結果である。軍隊が正しき理解の下に私的制裁を
消滅せしむる事は日本民族昭和維新の新道徳確立の基礎作業ともなるのである。 火器....