消長[語句情報] »
消長
「消長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消長の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
かならぬ。世界の歴史はようするに、この自主創造の猛烈な個人的慾望の、変化極りなき
消長を語るものであるのだ。嘘と思うなら、かりにいっさいの天才英雄を歴史の上から抹....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は四季の循環を生じる。太陰の盈虚に伴って動物の脳味噌、骨や樹の髄、蟹や蝸牛の肉が
消長する。太陰は不可抗な力をもって潮汐の波を起こすが、太陽がこれを助長するときは....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
眼としたるがゆえに、いやしくも経済上に妨害あらずと信ずるときは、あえて権義道理の
消長を問わざりき、この点においては浅近なる実利的論派にして毫も抽象的原則または高....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
細い隙間をとおして、写真用の感光紙に直接感ぜしめ、然る後現像すれば、心臓の電気の
消長を示す曲線が、白くあらわれる訳である。感光紙は活動写真のフィルムのように巻き....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
折があったようである。優雅と滑稽、貴族的なものと平民的なものとの不規則に週期的な
消長角逐があった。それが貞門談林を経て芭蕉という一つの大きな淵に合流し融合した観....
「天災と国防」より 著者:寺田寅彦
見える。誠に遺憾なことである。 台風の襲来を未然に予知し、その進路とその勢力の
消長とを今よりもより確実に予測するためには、どうしても太平洋上ならびに日本海上に....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
まって軽い嵐くらいですんでしまうことがしばしばあるのである。 転向の原因、勢力
消長の決定因子が徹底的に分らない限り、一時間後の予報は出来ても一昼夜後の情勢を的....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
神的、並に肉体的の、あらゆる方面に向って行われる。無論両者の争闘は、時代によりて
消長を免れないが、現在はその最も激しい時代である。神の使徒は、今やその威力を集結....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
をした。その結果この星の表面を縦横に走っている運河のようなものが南北両極の氷塊の
消長につれて隠見する有様が仔細に知れた。その模様を見ると火星の上にはどうしても智....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
となり、演劇の領域もまた、その影響を受けないわけにいかなかつた。 文学的流派の
消長は、そのまま、演劇の面に著しい波紋を投げたことは、既に他の巻において述べられ....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
族が解消する時である。 世界美術史は斯かる民族の美の源泉間に行われる勢力交流の
消長に外ならない。或る民族の美的源泉が強力な時、その美は世界に溢流する。或る民族....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
(食欲、睡眠欲、性欲)の一つであります。そして他の二欲と違って、年齢により著しき
消長があります。青年期から壮年期にかけて強く、少年期はまだ現れず、老齢になるに及....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
後・陸奥両方より来たこと、夷俘・俘囚のこと、館址および古墳の調査のこと、華夷勢力
消長のこと、蝦夷族の末路のこと等の概略を述べて、この講話を終った。 講演後、渡....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
が「侍」と呼ばれたのは、全くこれが為であった。 家人の地位は主人の地位とともに
消長する。源頼朝天下の政権を掌握するに及んでは、国法上では賤民である筈の源氏の家....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
※ 攻撃威力が当時の防禦線を突破し得ざること。 欧州大戦等。 四 両戦争の
消長を観察するに、古代は国民皆兵にして決戦戦争行なわれたり。用兵術もまた暗黒時代....