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消閑
「消閑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消閑の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋と漫歩」より 著者:萩原朔太郎
日戸外をほッつき廻っているのである。そしてこれが、私の唯一の「娯楽」でもあり、「
消閑法」でもあるのである。つまり私が秋の季節を好むのは、戸外生活をするルンペンた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
重く動作緩慢なりなどいう方面から起っただろう。 一二一一年頃ジャーヴェ筆『皇上
消閑録《オチア・インペリアーナ》』を見ると、その頃既に仏国でも、竜は詰まらぬ河童....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
る。こういう立場から見ると、「連句する」ことも合奏することも、決してあだな娯楽や
消閑の一相ではなくて、実は並みならぬ修行であり鍛錬であることがわかって来るのであ....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
に昼飯になる。昼の菜の当てッこをしたり、昼の菜の一覧表をつくったり、そんなことも
消閑の一策になっている。昼飯は十一時で、天気がよければ十一時半から十二時まで運動....
「「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
態における人間というようなことを考えるのは大へんな難事業ですから、部分品としての
消閑慰安の具となれば、それだけで社会的使命を果すという考えかたが非常にあるんじゃ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
けてあった一管の笛に眼をとめました。 誰か湯治客がこの辺で竹を取って、湯治中の
消閑《しょうかん》に、手細工を試みたものでしょう。それを北原に取らせようと慫慂《....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
わかされた婦人が、危急を訴えたという種類のものでもなし――西洋人の船の中で、誰か
消閑《しょうかん》のいたずらでしょう。しかし、いたずらにしても無意義なものではあ....
「歌の口調」より 著者:寺田寅彦
あるかも知れないが、しかし歌人にして同時に科学者であるような人にとっては少なくも
消閑の仕事としてこんな事をつついてみるのも存外面白いかも知れない。 口調がよく....
「『黒影集』の序詞」より 著者:田中貢太郎
伝奇物語に興味を有する私は、折にふれて支那の随筆小説を読んだ。読むと云っても、もともと
消閑の具としてであるから、意の赴くままに眼の行くままに読むと云う有様で、巻を追う....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
不愉快におくるのは一日の損だ、と彼は知っている。しんそこの風流ではなく、功利的な
消閑なのだ。こんどは細ながい筥からこれも元の舶載らしい水墨画を解き出して、壁にか....