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消魂
「消魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
消魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
池の溢れた水中をジャブジャブ漕いで、納涼博覧会などを見物し、折から号外号外の声|
消魂《けたたま》しく、今にも東都全市街水中に葬られるかのように人を嚇《おどか》す....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の町々を薄蒼白く照らしていた。その町々を陰影のように光明優婆塞は彷徨って行った。
消魂い嬰児の泣き声が一軒の家から洩れて来た。と、立ち止まった優婆塞は静かに窓の戸....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
く吉丸の足へ巻き付いた。 「あっ」 と驚いた笹千代は、自分も長虫を嫌う所から、
消魂く人を呼び乍ら、一間余りも飛び退ったが、どぶんという水音に驚いて、ギョッとば....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
も話した。 「しかし、上州の人に見せたものなら、こんなことでよく麦が取れるッて、
消魂られます」 こう言って、隠居は笑った。 「この阿爺さんも、ちったア御百姓の....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
うして、無言のままに再びそこを出て、家に飼ってある※が俄かに物におどろいたように
消魂しく叫んだ。妻はいよいよ怪しんで、火を照らして窺うと、籠のそばにはおびただし....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
うに、気落がして、私も眼が重くなった。 高頭君であったか、誰であったか、不意に
消魂ましく、日本晴れだぞ、痛快痛快と、触れ廻るように叫んだ声におどろかされて、刎....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
そしてそれっきりで二人がうとうととしかかった時、絞め損った鶏を飛ばしたような
消魂しさで、引き裂かれるような悲鳴が、耳のつけ根で爆発した。同時に、若者と時計屋....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
件が、忽然として勃発した。 まず凄じい鬨《とき》の声が起こり、つづいて太刀音が
消魂《けたたま》しく起こり、一ツ橋勢の一角が、見る見る中に崩されたのである。 ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、見馴れぬ女が尋ねてまいりまして、 女「はい、御免下さいまし」 一人の猟人は
消魂しく、 猟「やアあの化物がやって来た」 喜「馬鹿野郎、そんなに騒ぐもんじ....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
。 斯うして暫くは内と外とで「てぎてぎ」の競争をしたのであった。 突然戸外で
消魂しい「ぎやッ」という悲鳴がしたと思うと、そのまま急に静かになった。 阿信は....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
表門の方へ廻って見ましょう」 こう云って要介が先に立ち、二三間歩みを運んだ時、
消魂しい叫声が邸内から聞こえ、突然横手の木戸が開き、人影が道へ躍り出た。 一人....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
も火の用心をしていたことであろうが、四ツ時という頃おい、ジャン/\/\/\という
消魂しい※り半鐘の音が起った。「そりゃ、火事だ、火事だ」というので、出て見ますと....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
して鉄門の方へ走って、門の扉へ手をかけた途端、家の中から一発の銃声、続いてアッと
消魂る叫び。 彼れは素早く身を翻して家を一周して、食堂へ飛び込んだ。 『馬鹿野....
「不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
時で、恰度妹がいて妻の病を看ていた。その時部屋の窓の外に当って、この時の音は少し
消魂敷い。バン……と鳴って響いた。即ち妻が死んだのであった。兎に角何か不吉なこと....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
あたりはもうすっかり暮れかかっていた。雷門の処まで来ると、夕方の雑音に交って、
消魂しい夕刊売りの鈴の音が響いていた。 私は直ぐ一枚買って、夫人と顔を突き合せ....