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「涎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

涎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ら、前に飼っていた犬の鼻が、はっきりと眼の前に見えるような気がした。それは始終｜涎《よだれ》に濡れた、ちょうど子持ちの乳房《ちぶさ》のように、鳶色《とびいろ》の....
「路上」より 著者:芥川竜之介
していた。しかもそのまん中には、髪をまん中から分けた若い男が、口を開《あ》いて、涎《よだれ》を垂らして、両手を翼《つばさ》のように動かしながら、怪しげな踊を踊っ....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
居たのである、是も我輩の見る処と家人の見る処と一致した、今度は更に赤と白と青との涎掛を作りて、矢張り首に纏いたるに、是れ亦前と同じく赤いのを喜んだ、我輩の家人も....
「春昼」より 著者:泉鏡花
ハックサメをすると煙草を落した。額こッつりで小児は泣き出す、負けた方は笑い出す、涎と何んかと一緒でござろう。鼻をつまんだ禅門、苦々しき顔色で、指を持余した、塩梅....
「若菜のうち」より 著者:泉鏡花
うに、妹の子は口も頬も――熟柿と見えて、だらりと赤い。姉は大きなのを握っていた。涎も、洟も見える処で、 「その柿、おくれな、小母さんに。」 と唐突にいった。 ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
かったろう。坊主は開いた目も閉じて、※とした顔色で、しっきりもなしに、だらだらと涎を垂らす。「ああ、手がだるい、まだ？」「いま一息。」―― 不思議な光景は、美....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、宗吉はもはや蒼白になった。 ここから認られたに相違ない。 と思う平四郎は、涎と一所に、濡らした膝を、手巾で横撫でしつつ、 「ふ、ふ、ふ、ふ、ふ。」……大歎....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
り、どしこと丼へぶちまけて、松坂で飛上った。……また遣ったさ、色気は無えね、涙と涎が一時だ。」と手の甲で引擦る。 女房が銚子のかわり目を、ト掌で燗を当った。 ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
を鼻の天窓に突立てぬ。 あわれ乞食僧は留を刺されて、「痛し。」と身体を反返り、涎をなすりて逸物を撫廻し撫廻し、ほうほうの体にて遁出しつ。走り去ること一町ばかり....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
たのを、しなやかな羽織の袖に捧げていた。暗い中に、向うに、もう一つぼうと白いのは涎掛で、その中から目の釣った、尖った真蒼な顔の見えるのは、青石の御前立、この狐が....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
いったらない。 狂犬がむっくり、鼻息を吹直した。 （柿があるか、剥けやい、）と涎で滑々した口を切って、絹も膚にくい込もう、長い間枕した、妾の膝で、真赤な目を※....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、章魚胡坐で構えていて、おどかして言えば、海坊主の坐禅のごとし。……辻の地蔵尊の涎掛をはぎ合わせたような蒲団が敷いてある。ところを、大木魚の下に、ヒヤリと目に涼....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
や子供たちを呼んで、自分が見つけた見ごとな餌をご馳走してやるのだった。 先生は涎れをたらして、この壮観を見、これなら贅沢な冬がすごせるぞ、と思った。彼は欲ばっ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
にも、また巻煙草入にも、使う人の勝手で異議はない。灰皿にも用いよう。が希くば、竜涎、蘆薈、留奇の名香。緑玉、真珠、紅玉を装らせたい。某国――公使の、その一品を贈....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
として及ぶ限りの周到なる準備が為された。 一部をワルソー方向に進めてロシヤの垂涎の地である同地方に露軍を牽制し、東普に集めた主力軍をもってこの敵の側背を衝き、....