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涜
「涜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
涜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
おうとした。しかしそこには言うべき何事も残ってはいなかった。それ以上をいうのは冒
涜《ぼうとく》にすら感じられた。
園と小母さんとは無言のままで互いの眼から離れ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
麻酔がジワジワと融けてくるのをさえ感じた。彼もまたポールと同じく、ミルキ閣下を冒
涜する一人であると思った。 「ねえポール。そういえばバラに注意したがいいよ。あの....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
摩したりするのは僕のなしうるところではない。それは不可能であるばかりでなく、君を
涜すと同時に僕自身を
涜す事だ。君の談話や手紙を総合した僕のこれまでの想像は謬って....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
出して、不意に乗じて一種の尊敬を、そうでなければ一種の憐憫を、搾り取ろうとする自
涜も知っている。弱さは真に醜さだ。それを私はよく知っている。 然し偽善者とは弱....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
知られるようになった。プラトンの弟子のアリストテレスはあるデメーテル僧から神を冒
涜したといって告訴され、大官アレオパガスから死刑を宣告されたが、際どくもユーボェ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
一月九日於酒田脱稿 世界の統一が戦争によってなされるということは人類に対する冒
涜であり、人類は戦争によらないで絶対平和の世界を建設し得なければならないと思う。....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
基督教国基督教会孰れも皆な名のみのキリストの国である、真実のキリストは彼等に由て
涜され彼等の斥くる所となりつつあるのである、依て知る路加伝冒頭の此一言も亦未来を....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の全部を精神異常者と見做して、懲罰を加えんとするに至りては、愚にあらずんば正に冒
涜である。われわれの側から観れば、かの堕落せる酔漢の類こそ、不良霊媒以上の精神異....
「旧作」より 著者:上村松園
ない人があるときいています。 さきの文壇の某大家の言と較べて、これほど自らを冒
涜する言葉はないと思います。 画家――大家となっている人でも、その昔は拙い絵を....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
を慰むべく、世間は余りに平凡な出来事ばかりで持ち切っていた。講和問題、新婦新郎、
涜職事件、死亡広告――私は隧道へはいった一瞬間、汽車の走っている方向が逆になった....
「墓」より 著者:秋田滋
足差足、跫音を忍ばせて墓石と墓石のあいだを歩いて行き、彼は眼を覆わしめるような冒
涜行為を目のあたりに見たのである。 一人の曲者が、前の日にそこへ埋葬された妙齢....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
た国民の奴隷根性とも密接につながるものである。 それは少なくとも個人の尊厳の冒
涜、すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であ....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
たずらに高く、微力にして期するところ意に従わず、幾多の不備、粗漏があって古典を冒
涜することなきかを恐れている。今後も御批判、御忠言、御希望を惜しまれることなく、....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
がら面白半分の応援隊となっていたが、それ以来かくの如き態度は厳粛な文学に対する冒
涜であると思い、同時に私のような貧しい思想と稀薄な信念のものが遊戯的に文学を語る....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ってると軽断するではないが、二葉亭にいわしむれば生活の血の滲まない製作は文学を冒
涜する罪悪であったのだ。「あんな器用な真似は出来ない、自分には才がない」と二葉亭....