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液体
「液体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
液体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
んで、右手に口の欠けた瓶子《へいし》を、空ざまにさし上げながら、その中にすすけた
液体を、しいて相手の口へつぎこもうとする。が、
液体は、いたずらに女の顔を、目と言....
「河童」より 著者:芥川竜之介
わせた産婆はたちまち細君の生殖器へ太い硝子《ガラス》の管《かん》を突きこみ、何か
液体を注射しました。すると細君はほっとしたように太い息をもらしました。同時にまた....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
お母さん。」
母は彼に抱かれたまま、二三度体を震《ふる》わせた。それから青黒い
液体を吐いた。
「お母さん。」
誰もまだそこへ来ない何秒かの間《あいだ》、慎太....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
プとウイスキイのコップとは、再び無愛想なウェエタアの手で、琥珀色《こはくいろ》の
液体がその中に充《みた》された。いや、そればかりではない。二つのコップを囲んでは....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
から下をめった打ちに打っては地面に落ちた。子供の上前《うわまえ》にも地面にも白い
液体が流れ拡《ひろ》がった。
こうなると彼の心持ちはまた変わっていた。子供の無....
「生きている腸」より 著者:海野十三
彼は、ガラス管をもちあげ電燈の光に透かしてみて三嘆した。 すこし青味のついた
液体の中に彼のいう「腸《はらわた》」なるものがどろんとよどんでいる。 「あ、生き....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
屹と視た。 四十九 早瀬はその水薬の残余を火影に透かして、透明な
液体の中に、芥子粒ほどの泡の、風のごとくめぐる状に、莞爾して、 「面白い!」 ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
長の半径を有する凹半球に度盛をした盤を置いたものである。水時計は水かあるいは他の
液体が大きな容器から一つの小さな穴を通じて流出するようになっており、その流出した....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
と、卓子の上に置いた。そして一升壜をとって、艦長のコップに、なみなみと黄金いろの
液体を注いだのであった。 一たいこの深夜、長谷部大尉はどうした気持で、艦長のと....
「古狢」より 著者:泉鏡花
一列に続いて、ざっと十台、曲尺に隅を取って、また五つばかり銅の角鍋が並んで、中に
液体だけは湛えたのに、青桐の葉が枯れつつ映っていた。月も十五に影を宿すであろう。....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ニコチンの害を説いて、一吸の巻莨から生ずる多量の沈澱物をもって混濁した、恐るべき
液体をアセチリンの蒼光に翳して、屹と試験管を示す時のごときは、何某の教授が理化学....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
い、浅くてぱッと口の開いた、ひどくハイカラな硝子盃を伏せて、真緑で透通る、美しい
液体の入った、共口の壜が添って、――三分ぐらい上が透いていたのでしたっけ。 (あ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ば、左まで面倒とは思わなくなるだろう。」 一八二二年に、ファラデーは塩素ガスを
液体という意見は言わなかった。ファラデーはその通りにして熱して見たら、ガラス管の....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
燻していません。ただ黒い瓶を一具、尻からげで坐った腰巻に引きつけて、竹箆で真黒な
液体らしいものを練取っているのですが、粘々として見える。 老婆は白髪の上の処に....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
らをほうりだし、中のガラスびんをひとつずつ、だいじそうにとりだした。どのびんにも
液体や粉末がつまっている。 男は、おびただしい数のガラスびんをとりだすと、こん....