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涵養
「涵養〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
涵養の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
た。それであなたは朝や夕べに手洗をつかうことも誇るがいいでしょう。そういう精神が
涵養《かんよう》されなかったために未だに日本新文学が傑作を生んでいない。あなたは....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
。古物から生ずる崇敬の念は、人間の性質の中で最もよい特性であって、いっそうこれを
涵養したいものである。古の大家は、後世啓発の道を開いたことに対して、当然尊敬をう....
「沓掛より」より 著者:寺田寅彦
の目を避けて過去の亡霊のように踊っていたのである。それがこのごろでは、国民思想|
涵養の一端というのであろうか、警察の許可を得て、いつのまにか復旧されて来たように....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
特徴から生ずるあらゆる風土的特徴に適応しながら次第に分化しつつ各自の地方的特性を
涵養して来たであろう。それと同時に各自の住み着いた土地への根強い愛着の念を培養し....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ているかと云うことが判るので、師範大学では「特に教育者たるの人格の養成及び観念の
涵養に力むること」になるそうである。自由主義者は例えばこうして出来上るだろう人格....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
なる運動に対しては断固毅然たる態度をもってこれを抑圧し、明朗濶達なる国民の気風を
涵養し、大いに国運の進展するようされたい」云々。 これは或る日の地方長官会議に....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
しまったような体裁である。こんなことから考えてみると、我国固有の国民思想を保存し
涵養させるのでも、いつまでも源平時代の鎧兜を着た日本魂や、滋籐の弓を提げた忠君愛....
「役人学三則」より 著者:末弘厳太郎
きるようになるのである。 第三条 およそ役人たらんとする者は平素より縄張り根性の
涵養に努むることを要す。 学校では、国家は矛盾なき一個の統一体である、と教える....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の手許に預けることにして、他日のために備えしめ、一方には商法に関する一般の知識を
涵養せしむるように監督をなし、そうして相当の理由ある時には何時にても自由行動を許....
「桜の園」より 著者:神西清
びとに、未来への勇気と信念を保持せしめ、われわれのうちに、善と社会的自覚の理想を
涵養してくれた。(間) ロパーヒン なるほど…… ラネーフスカヤ あなた相変らず....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
び刀をかつぎだすようなことを唱えはじめたのです。彼らの「民心統一」といい、「民力
涵養」といい、「淳風美俗」というものがすなわちそれです。しかし、彼らの「復古」は....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
らゆるご不自由に堪え、ご質素を忍ばれたのである。我々赤子が、何で物を節して国力の
涵養に尽くし得ぬことがあろう。大いに物を節約しようではないか。 (一一・六・五)....
「法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
理論により、いかなる技術を通して導き出されたかの経路に留意して、自らの解釈能力の
涵養に役立たせる努力をしなければならない。 (2) 次に、初学者として是非とも....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
関するいろいろの知識を幼い頭脳に吹き込まれた。 そのほかに直接間接に劇の趣味を
涵養してくれたのは、かの定さんの借りている女髪結の家の娘が常磐津を習っていること....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
本民族の発展に役立って来たかと申しますと、まず第一に国民生活上、和恭勤勉の気風を
涵養したことであります。聖徳太子が御自ら法華経、維摩経、勝鬘経の三経を講述、註疏....